馬を牛と言う

テーマ:言葉・漢字
午年ということで、馬にちなんだ故事ことわざを考えていたのですが、すぐに思いつくのが「馬が合う」「馬の耳に念仏」とか「馬耳東風」、あとは「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」とも言いますね。

「馬に乗って馬を探す」なんてのもあるようです。自分のすぐ近くにあるのを忘れて、とんでもないところを探し回るたとえで、めがねをかけてめがねを探すようなもんですね。なぜか誰かさんのお顔が浮かんでまいりました(笑)。

さて「馬を牛と言う」ということわざもあるようで、ネットで検索してみますと一番に「ことわざ辞典」のサイトが出てきまして、開くと次のように定義されておりました。

『権威や圧力で水からの主張を無理矢理押し通すことのたとえで、人の心中を察することのたとえ。』

うわっ、何じゃこら。まず「水からの主張」ってどうよ?また誰かさんのお顔が浮かんでまいますやん。さらに、その主張を無理矢理押し通すことが、何で人の心中を察することになるの?この定義こそ「馬を牛と言う」でしょ。

さて屁理屈はともかく、「馬を牛と言う」が「自らの主張を無理矢理通す」ことのたとえであることは、まあ普通にわかりますよね。馬であるものを「あれは牛だ」と言うわけですから。

さてもう一方の意味である「人の心中をいち早く察する」ことを何故「馬を牛と言う」というのか?成語林によりますと、この意味のもとになった次のような逸話が江戸時代の随筆集「雑和集」に出てくるそうです。

「孔子が弟子たちを連れて歩いていると、垣根から馬が頭を出していた。それを見て孔子が『牛だ』と言うと、弟子たちの中で顔回だけは、十二支の『午』の字が頭を出すと『牛」になることを悟ったという」

はぁ~、なるほどねぇ。孔子の心中を顔回だけは察していたということなんですかね。て言うか、孔子さんシャレ言ってる場合かよ。もっとも成語林には続いてこう書いてありましたわ、「もとより実話でない」と。こりゃ徹頭徹尾、馬を牛と言うだな。



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