襁褓

テーマ:言葉・漢字
一月のことを「睦月」ともいいますが、「親類知人が互いに往来し、仲睦まじくする月からとする説が有力とされる。 その他、稲の実をはじめて水に浸す月で、『実月(むつき)』が転じたとする説。 元になる月で、『もとつき』が『むつき』に転じたとする説がある。」 と語源辞典には書かれております。

でね、今日のタイトルの「襁褓」、これも「むつき」と読むらしい。これ何のことかわかります?「ころもへんに強く保つ」、そう「おむつ」のことらしいです。そもそも「むつき」に丁寧語の「お」をつけて「き」を省略したのが「おむつ」なんだそうですわ。

さて、「襁」と「褓」、こんな漢字ほんまにあるんかいな、と漢和大字典で調べてみますと、ほぉ~あるんですね。でもどうやら元は別の意味だったようです。

まず「襁」の方ですが、「キョウ」または「コウ」と読みまして、「幼児を背負う帯」を表し、「褓」は「ホウ」と読み「幼児を包む着物」という意味でして、「襁褓(きょうほう)」というのは中国では「おむつ」の意味ではなかったみたいですね。

もっとも日本でも、紫式部日記などでは「むつき」は「産着」の意味で使われており、また「ふんどし」を表す言葉としても使われていたようですので、まあ大事なものをくるんだり締めたりするものということだったんでしょうね。

しかし人生始まってすぐ「むつき」のお世話になることを思うと、1月の古名が「むつき」であることはうなづけますし、逆にだからこそ「襁褓」の字に「むつき」という読み仮名をあてたのかもしれませんね。

「むつき」から始まり、最後の方に「しもつき(霜月、下つき)」が出てくるのも人生そのもの。くれぐれも「師走れ(し忘れ)」に注意したいものです。いや、できればお世話にならないうちにこの世から消えたいですなぁ。



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