冥福は祈らぬもの?

テーマ:よもやま話
昨夜、父の同級生であったTさんのお通夜にお参りしてまいりました。私の父は22年前に71歳で亡くなりましたからTさんは享年93歳。命日となった1月3日は誕生日でもあったそうでまるまる93年の生涯ということですね。

同級生でもあり、長浜八幡宮の責任役員を一緒に務めたり、ともに実直で飾らない性格でウマが合ったのでしょう。生涯の友人ということで父の葬儀に際しては葬儀委員長をお願いした経緯もございます。

父の死後こちらに帰郷してお会いすると、決して多くを語られるわけではないですが、優しい笑顔で「頑張ってるか」とお声掛けいただき励まして下さったことを覚えております。凛として背筋が通り気品のある紳士でした。

伺いますと太平洋戦争時は近衛兵として従軍され、その後戦況の悪化に伴い外地に。フィリピン海で敵の魚雷で乗っていた船が撃沈。いかだにつかまり10時間漂っていたところを味方の船に救助され九死に一生を得られたそうです。

思わず先日見た「永遠のゼロ」の一場面が頭をよぎったのですが、「撃沈のセレベスの海八幡のいかだのおかげ今あるこの身」。正確ではないかもしれませんが、そんなような歌を歌われて生かされている自分に感謝される日々だったそうです。

もっとも当時のことを多く語られることはなかったそうで、これはもしかすると多くの戦争体験者に共通することかもしれません。特に周りの戦友がたくさん亡くなる中で偶然と言っても良いような確率で自分が生き残ったという運命の方々は尚更のようです。

考えてみれば来年は終戦70年。「戦争を知るものがどんどんいなくなっていく。我々の世代は戦争について多くを語りたがらないが、語り伝えていくことが使命なのかもしれない」という、映画の中の夏八木勲さんの言葉が改めて蘇って来ました。

さて「冥福を祈ります」とよく言いますが、冥土とは仏の教えを聞いて来なかった人たちが迷うところ。真宗門徒は弥陀の救いで往生即成仏するわけだから冥福を祈るとは決して言わないのだというごえんさんの通夜法話がありました。

ということで、Tさんに心より哀悼の意を表したく存じます。う~ん、やっぱり何となくしっくり来ませんな。どうぞ、あの世で父と一献を傾けて下さいませ。ありがとうございました。

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