小学生日記

テーマ:よもやま話
▼小学校四年の時の担任の先生は毎日、日記を出させ、丁寧に感想を書いてくれた。先生が感心したくだりには、赤ペンで線が引かれていた。先生の筆跡が楽しげに躍っていると、こちらの心も躍った

▼ウン十年前のそんな思い出が蘇(よみがえ)ったのは、夕刊文化欄で直木賞作家・朝井リョウさん(23)のエッセー『私の小説の原点』を読んだからだ。朝井さんの小学校時代の担任の先生も毎日、クラス全員の日記に目を通し、感想を書いてくれたそうだ

▼先生がある日、「まるで小説を読んでいるみたい」と評してくれた。その言葉に促されるように小説を書き上げ、渡した。先生は教職を象徴する赤ペンではなく、黒い字で、感想を書いてくれた

▼それが朝井さんにとって、決定的な瞬間となった。<このとき、先生が、「先生と生徒」ではなく、ひとりの人間同士として、自分と向き合ってくれたのだと思った><文章をあいだに挟めば、「自分とちがう」と思っていた人たちが、自分に向き合ってくれるのだ>

▼教室では、こんな素敵(すてき)な化学反応が起きうる。それも先生たちに一人一人の子を見つめる余裕があってのことだが、日本は一学級の人数が、先進国の中で際立って多いという

▼先生を増やし、少人数学級化を進める計画の実施を政府が見送った。学力の国際比較で大騒ぎするなら、世界に誇れる教育環境にしたらどうか。


これ、私の文章と違いますよ。昨日、長信さん行って待ち時間に読んでいた中日新聞の中日春秋のコラムに書かれていたものです。しかし、冒頭の一節は自分の気持ちを代弁して下さっているのかと思ってドキドキしたほどでした。

先生の良し悪しを日記の批評だけに集約するわけではないですが、上記コラムにあるように「先生と生徒」ではなく、ひとりの人間同士として自分と向き合ってくれている、そのことは子どもでもわかるんです。私の場合、小学校4年生の先生がまさにそれに当てはまりました。

今の学校、先生たちに一人ひとりの子を見つめる余裕は無いのかもしれません。でも、本当に必要なことをせずに必要でないことをやり過ぎていないか。あるいはやらせられてはいないか。少人数学級化は喫緊の課題ではありましょうが、それさえすれば全てが解決するとは思えないのですが。



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