たんかを切る

テーマ:言葉・漢字
先日渡辺淳一さんの短歌の話をいたしましたが、「たんかを切る」ってよく言いますよね。短歌を切ったら、俳句いや川柳じゃねえかって。いや、その字ではありません。

担架を切ったら、けが人も運べませんがな、って、その字でもありませんで、「たんかを切る」とは「啖呵を切る」と書きます。「歯切れのよい口調で勢いよくまくしたてたり、相手をやりこめたるすること」という意味ですね。

では、「啖呵」とは何なのか?これね、元々は「痰火」と書いて「体内の火気によって生ずると考えられていた咳と一緒に激しく出る痰や、そのような病気のこと」なんだそうです。

そうか、「啖呵」って要するに痰か。私ね、風邪引くと熱は出ないんですが、気管支が弱いせいか咳が出て止まらなくなるんです。だいぶん収まりましたけど、少し前までこの痰が切れずに悩んでおりました。

そう、この憎っくき「痰」→「痰火」が切れると、胸が本当にすっきりいたします。ですので、香具師などの隠語で、品物を売るときに歯切れよくまくし立てることを「啖呵を切る」というようになったそうです。

ごくあたりまえの品物を、巧みな話術で客を楽しませ、いい気分にさせて売りさばく商売手法を「啖呵売」というとWikipediaには書かれていますが、啖呵売といえばやっぱり風天の寅さんですね。

たんか切る寅さんたんか値切る大阪のおばちゃん

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