無情のち無常

テーマ:よもやま話
昨年の11月23日に木之本スティックホールで行われた滝田栄さんの「観音文化講演会」。母が「滝田さんの話なら聞きたいなぁ。けど木之本では遠いなあ」と。私も別用で参加することはできませんでした。

講演後に滝田さんと懇談の機会を得られたという話を北川教育長に伺いましたので、「そう言えば、滝田さんって最近全然ドラマとか出演されませんよね」と申しますと、「役者としてはNHK大河ドラマの徳川家康役に全魂を注ぎ切ったので、それ以降はむしろ仏師の道の方に向かわれたようだ」と教育長。

広報ながはまの1月号には、その滝田さんと市長の新春対談が掲載されていました。やはり大河の徳川家康の役作りに大変な苦労をしたことが書かれていました。氏は家康が幼少期を過ごした静岡の臨済寺に数週間こもり、そこで小さな涅槃図を目にしたそうです。

生きとし生けるもの、そして天界の神々までもが涙を流している様子に、「命あるものに楽を与え、苦しみを取り除く『慈悲』の心を持った将軍になり、何としてでも戦国の世を終わらせるのだ」という家康の気持ちになり切れた、というようなことが書かれていました。

偶然なのか、フルハップから届く「まいんど」の1月号の裏表紙「テイスティトーク」も滝田さんのお話。徳川家康とともに全身全霊で取り組んだ「レ・ミゼラブル」。それを52歳で演じ終えた時、次に目指すものが全く浮かんで来なかったそうです。(ちなみに、ジャン・バルジャンもジャベールも演られたんですね)

「そんな時、唯一これだと思ったのがお釈迦様でした」と。そしてお釈迦様のことを深く知るためにインドへ旅立ち、2年間修行と巡礼の日々を過ごしたのだと。私も52歳に成りましたが、お釈迦様のことを知りたい、などという域には到底たどり着きえません。ましてインドで2年間など。

禅の世界でいう「難有り。有り難し」つまり、困難のおかげで本当の問題点が見えて問題が解決できるという言葉を引き、「東日本大震災は、あまりに豊かになりすぎて大切なものを見失ってしまった日本人が、真の豊かさを考え直して成長するチャンスだと考えています」と語る滝田さん。

お母さんが亡くなったことをきっかけに20年来仏像を彫り続けておられるそうです。そう言われてみると、「まいんど」に出ていたこの写真、何となく中宮寺の如意輪観音のご尊顔に見えてくるから不思議なものです。

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