たまげた屋のおじさん

テーマ:よもやま話
一昨日の夕方、母に店番を頼み奥でパソコンに向かっておりましたら、表から「すみませ~ん」という声。母が居眠りしている可能性があるので慌てて「は~い」と飛び出して行きますと、若いご夫婦とその隣にはベビーカーを押す初老のおっさん。

何や、ゲッティさんですや~ん。ゲッティさんとは「下駄やのおじさん」のこと。日本語より英語のほうが流暢で、電話での相槌も「ふゥ~ふぅン」と外人っぽいという噂から、私は勝手にこう呼ばせていただいております。

ゲッティさん、娘さんご家族を連れて胡麻油をお求めに来て下さったのです。レジの横に居た母に「あの人、おおのさんやで」と言いますと、「どこのおおのさん?」「ほれ、はきもの屋さんやがな」「あ、ほらご挨拶せんとあかん」

ゲッティさんのお父さんとうちの父は存命中パウワースの役員として席を同じうし昵懇のおつき合いをさせて頂いておりましたし、母も亡くなられたゲッティさんのお母さんとは赤十字奉仕団などでご一緒させて頂いた間柄なのです。

帳場に出て正座をする母。ゲッティさんに挨拶するんかと思いきや、若いゲッティさんの娘さん夫婦に向かって居住いを正し、「お母さんには色々とお世話になりましてありがとうございました」。一瞬様子がわからず戸惑いがちに「いえ、こちらこそお世話になります」とお応えになる娘さん。

ゲッティさん、「あの~、息子は僕なんですけどぉ~。これは、わ・た・しの娘です」「あ、こりゃどうも失礼いたしました。皆さん、立派になっておられますんで、つい」と、わけの分かったような分からんような言い訳をしよる。

しばらくして、思い立ったように「ひょっとして、お名前◯◯◯さんと違いますか?」とゲッティさんに尋ねる母。「そうです。◯◯◯です。よくご存知ですね」「いや、お母さんが事あるごとに◯◯◯が、◯◯◯が、て言うてやありましたもん」

出ました、起死回生の逆転記憶ホームラン。よくぞ覚えておりました。さて一段落して店を出られるゲッティさんご一行様。「ありがとうございました~」。ふと見ると、母の前に袋に入った1リットル入の胡麻油が置き去りに。母の毒に当てられて、肝心のもの忘れたか....。


(追記)
お帰りになった後、「やっぱお父さんに似てやぁるな~」と一言。きっと、ゲッティさんのことお父さんと一瞬錯覚したに違いない。

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