ばちとばつ

テーマ:言葉・漢字
野田内閣の鉢呂経産相が「死のまち」「放射能つけちゃうぞ」発言で早くも辞任いたしました。不用意な発言にバチが当たったのか。最後の会見もばつの悪そうな顔でしたね。

さて、先日けろっぴさんから「バチが当たる」について、そして日を移して松男さんから「ばつが悪い」についてのネタリクをいただきました。毎度お引き立てをいただきまして誠にありがとうございました。

「バチが当たる」という場合の「バチ」は「罰」でありまして、特に人間の悪行に対して神仏が与える罰のことを言うようであります。うちの母は「バチは三味線当たるが早い」とよく言うんですが、悪いことをすればたちまちバチが当たるのを、三味線のバチに掛けた言葉。

さて問題は「ばつが悪い」の方。先日、電子辞書が壊れたと思って保証書片手に勇んで行ったら電池切れだと指摘されまして、まさに「ばつの悪い」思いをいたしました。「きまりが悪い、ぐあいが悪い」という意味でよく使われる言葉です。

辞書を見ますと、この場合の「ばつ」は「場都合(ばつごう)」の略、とあります。場都合ってのは「その場の都合」ってことなんでしょうけど、わかったようでわからん言葉ですね。普段そんな用語は使いませんし、そもそも大辞泉にも「場都合」なる言葉は載ってないんですから。

下手な三味線奏者が失敗した時に「ちょっとバチが悪くて」と腕前の未熟さをバチのせいにして言い訳した時の顔なんかは実に「ばつの悪い」ものなので、こちらの「ばつ」こそ「三味線のバチ」起源かも、と思ったんですが、そういう解釈はどこにも見当たりませんね。

説得力があったのは、「ばつ」=「跋(ばつ)」説。「序」という言葉はよく目にしますよね。「序文」といいますか、いわゆる「前書き」。これに対して、書物や巻物の末尾に記す文を「跋(ばつ)」あるいは「跋文」というんだそうです。これは知らなんだなあ。

本文はうまく書けたつもりでも、後書き、つまり跋が締まらないと、何となく後味が悪いというかすっきりしないですよね。今日のブログも「ばつが悪い」な。

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