姑息なやつと声荒げ

テーマ:言葉・漢字
近年、文化庁が毎年行っている国語に関する世論調査の結果が昨日の新聞に掲載されておりました。今回は「寒っ」「すごっ」など形容詞の語幹のみの表現に対する違和感の調査が初めて行なわれ、TVなどの報道はそちらに重点を置いていたようですね。

こんな表現、当たり前やろ。何で今さら調査するの?と思ってしまうんですが、ここ数年急速に普及してきたんだそうで、「TVを通じてよく耳にするため抵抗感がなくなってきた」と分析されていました。元々関西人には当たり前の言い方を吉本の芸人が全国に流布させたということでしょうか。

さて、例年行なわれております、「どちらの意味だと思う?」「どちらの言い方を使う?」の調査では、7割以上の人が用法を間違えているものが2例ありました。

一つは「大きな声を出すこと」は「声を荒(あら)らげる」か「声を荒(あら)げる」か、という問い。これ前者が正解なんですが正解率はわずか11.4%。確かに日常語で使う時は、「ほんな声荒げんといてぇよ!」とか言ってしまいますよね。そもそも「あららげる」って言いにくいですもんね。「あららげる」と言おうとすると舌がもつれて「あらららら...」とか。

浄瑠璃やってる人は意外に間違えないかもしれませんよ、これ。太功記十段目に「♪光秀、わざと~声荒らげ!」というのが出て参ります。これ「声あららげ!」でこそ激しい感情が表せますが、「声あらげ」では拍子抜けしちゃうんですよね。

もう一つの誤用が多いのが「姑息」。これはどう考えても「ひきょうな」の意味で使ってるんですが、正解は「一時しのぎ」なんだとか。正解率15%なんですが、むしろ15%もあったというのが不思議なくらい。

そうそう、そういえば「姑」って「しばらく」って読むんだった。「姑息」は「しばしの休息」だから「一時しのぎ」なんですね。「姑息な手段(その場しのぎの手段)でごまかそうとする」というように良くない場面で使われることが多いから、誤用されがちと考えられているようです。でも「姑」に対するイメージもあるんだろうな、きっと。

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