実が入る

テーマ:言葉・漢字
みーな最新号(108号)が届きました。今月のテーマは「賤ヶ岳合戦」でありますが、私はいつも「湖北は可笑しな言葉かり」から入りますんや。こちらは「身が入る話」。結論の部分はこう書かれておりました。

「筋肉痛になることを湖北では『身が入る(みがはいる or みがいる)』あるいは『身がはる』と言う。関西圏では結構広く分布しているようでもあるが、滋賀の方言として紹介されていたりもする。関西弁だと思って使ってみたら通じない、という言葉の一つかもしれない」

うん、確かにコブログのブロガーさんたちも時々「身の入った」お話をされることがあります。しかし、こうして「身が入る」といざ字にいたしますと、どうしても辞書に書いてある「一生懸命になる。真剣になる」、つまり「勉強に身が入る」(いや「入らない」か)、といった用法における意味の方を意識してしまいます。

この場合の「身」は「自分が何かをやろうとする心」を意味するわけですが、一方筋肉痛の場合は「皮や骨に対する肉の部分」ということになりましょうか。

ところで、「実が入る」という言葉もございまして、こちらは「身が入る」と同義の「一生懸命になる」という意味とともに、文字通り「果実が熟れる。熟する。実がはいる」という意味があります。

考えてみますと、筋肉痛の方はむしろこの「実がはいる」状況に近いのではないか。つまり、我が手足が
こんなぱんぷくりんの状態
になることを収穫物にたとえて表現したものではないのか、と思うわけです。

「手に豆ができる」
と同じように、手足に「実がはいる」という感覚なのではないでしょうか?元々「身」と「実」は同語源だそうですので、どっちでもいいんでしょうけど、いずれにいたしましても、私は先日の提灯持ちに「身が入り」過ぎまして、すっかり腕に「実が入って」おります。

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