農りある可し

テーマ:まちづくり
今年のアートインナガハマ、夕方から雨が降り始めましたが何とか2日間盛況のうちに終了いたしました。「アイン」という通称で呼ばれることがもっぱらのこのイベント、「長浜芸術版楽市楽座」というのが正式名称です。まあ、「大日本除虫菊株式会社」を「KINCHO」と称するようなもんでしょうか。

今年で24回目を数えるわけですが、これだけ回数を重ねますと、「偉大なるマンネリ」イベントになって来まして、見に来られる方もむしろこのマンネリ状態を楽しみにしていらっしゃる気配さえあります。

一方、「イベント創始時の志に立ち返ろう」とか「新しいものを取り入れて進化していくべし」といった意見も混ざり合いまして、アイン内部でも保守とリベラルがぶつかり合いながらダイナミズムを生み出しているところもあるかもしれません。

さて、今年は若い人たちの発案で「AIN×Konefa 農カッコイイプロジェクト」という企画がなされました。「農カッコイイ」というネーミングが(E)かどうかは別として、結果的にはアインの可能性を感じさせるものになったような気がします。

Konefa(コネファ)というのは湖北地域の若手農家集団だそうでして、曳山博物館角でおにぎりの利き米や野菜の販売などがなされ、彼らの農業活動をパネルなどで広く市民にPRする場所が提供される一方、広場ではそのメンバーが所有するコンバインに若手作家が2日間にわたってライブペイントを行ないました。

ペイントを行なったのは金沢の大学を卒業して現在は愛知県を中心に活躍する「くろだまさし」君。下書きもなく、ひたすらマジックペンの赴くままキャラクターを緻密に書き並べていきます。同じキャラクターは二度と現れることなく、自分でもどういう仕上がりになるかわからないと言っておりました。

下絵が書き終わると今度は色付け。食事やトイレなどの休憩以外は、2日間ずっとコンバインの胴体というキャンバスに向かって、来場者の注目を一手に集めておりました。

このコンバインは、ヤンマー農機販売の重機運搬車で運ばれてきたわけですが、コンバインというのはさながら農場の戦車といった風情で、これを颯爽と運転する姿は格好いいもんですね。

アインが終了し、再び運搬車に乗せられたコンバイン。所有者の百匠屋さんと作家のくろだ君とが、完成品を眺めながら「いや、いい感じだね~。いいですね~」と感慨にひたり、握手しあう姿は実に爽やかでありました。

農業と芸術、一見無縁でありそうなイメージの両者を見事に融合させる試み。企画した若者たちもお見事。「農り(みのり)ある可し」。アインというイベント、そして長浜の「可農性」を感じさせてくれる2日間でありました。
昨日の日めくりより

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