人形振り

テーマ:曳山・歌舞伎
今年の米原曳山祭は、北町旭山組と南町壽山組の出場となりましたが、それぞれ芸題は「神霊矢口渡」と「本朝廿四孝」、奇しくもともに劇中に「人形振り」の入る演目となりました。

歌舞伎の中には文楽(人形浄瑠璃)のために書き下ろされた作品を取り込んだ、いわゆる義太夫狂言というものがあり、曳山で演じられる演目の多くは、この義太夫狂言に属するものです。

この義太夫狂言の一部分において、人間である役者がわざと本来の「文楽人形」になったような振りをすることを「人形振り」といい、後ろには「人形使い」と呼ばれる黒衣がついて、あたかも彼に操られているが如き所作をするわけです。

一般的には若い娘やお姫様などの役柄が、激しい恋心を高ぶらせ、激情に走る場面にこの演出を用いることが多いようです。

「矢口渡」ではお舟が
「廿四孝」では八重垣姫が

旭山の振付師である中村津多七師匠は、私が垂井の曳山祭でお世話になっている先生。そして、この「矢口渡」は、息子が長浜の曳山祭に初めて出場した時の演目。

一方、壽山の振付は私の義兄(姉婿)で、こちらは甥っ子が5歳で初上がりした時の演目。また、わが翁山が長年お世話になった中村芝蝶先生が昭和48年に初めて長浜(鳳凰山)で振付をされた芝居で、現在医者となっている同級生のI君が八重垣姫を見事に演じ、三味線奏者として大活躍中の賀祝さん(同級生)も勝頼役を演じました。
何故か舞台上に佐々木信也
ということで、どちらも思い出深い芝居だったわけですが、先の「人形振り」を本当に人形らしく見せるには、人形のいい仕草を真似るのではなくて、人形のまずいところを真似るのがコツなんだそうです。そんなコツを知ってか知らずか、2人の子ども役者、ともに見事な人形振りでございました。

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