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暑い京都で寒い話

テーマ:石油
AIJ投資顧問による年金消失事件というのがありましたが、あれを受けまして代行割れしている厚生年金基金は早よう解散しなさい、という法律が6月に成立したそうです。

厚生年金基金て何?という方もいらっしゃるでしょう。説明しだすとややこしいのですが、企業が掛金を負担して普通の厚生年金に加えて従業員に若干割増の年金がもらえるようにしましょ、というもので、例えば私の会社が属している京滋石油厚生年金基金は京都と滋賀のガソリンスタンドが加盟しております。

ややこしいのは、割増部分だけでなく、本来国が支給する年金の一部も基金が掛金を徴収し運用を委託されているのですが、その代行部分を賄う資産すら不足している基金が何と全国560基金のうち9割に達しているのです。

私どもの基金もその例外ではありませんで、昨日解散に向けての説明会があり出席してまいりました。受給者の立場として割増分がカットされるのはやむを得ないと思いますが、代行不足分を各企業が負担しなければならず、事業主としてはなかなか気が重いですわ、これ。

しかし聞かされる話は寒いのに、とにかく京都は暑いわ。暑すぎ。しかも京都と言っても便利なところなら大津と変わらへんでええけど、竹田駅から徒歩15分くらいのとこ。Googleの簡易地図を印刷して持って行ったら道に迷いまして、結局うだるような暑さの中、全身ゆで卵になりそうになりながら30分くらい歩きました。

汗も1年分くらい掻いたような気がしますがな。説明会は3時までの予定やったのに皆熱心で質問しょうる、しょうる。それも結構鋭いやん。おまんらほんまに油売ってるんかいな、と思うほど賢そうな人も居ましたわ。あなどれません。4時の電車に乗らなあかんので、3時20分に退出。

そこから竹田駅まで走ったけど、足があかん、自分の足で無いみたいに情けないことになってる。4時発の新快速には間にあったけど、途中緊急地震速報とやらで電車止まりくさった。奈良で大地震とかいう噂やったけど、誤報だったらしい。何じゃそりゃ、気象庁ええ加減にしとけよ。

しかし、電車の中で一番に唸りだしたのは私のタブレットでしたわ。すわ何事かと思ったら、あちこちで同じような音がビービーと。ずっと静かにしていた旧型の私の携帯電話。やっぱりあんたは偉いわ。

言葉の力は生きる力

テーマ:まちづくり
昨日は長浜市教育研究発表大会が行われたのですが、発表後「大村はま記念国語教育の会」事務局長の苅谷夏子さんの講演を聞く機会に恵まれました。

大村はま先生は、日本の歴史上すぐれた教育者というアンケート調査をして福沢諭吉や吉田松陰を抑えて第一位になるほどの「すごい」方だそうです。もっとも「すごい」の一言で片付けられると悲しくなるので、「今日は『すごい』を禁句にして、大村はまのすごさを伝えたいと思います」と苅谷さん。

「私が会ったことのない類の人」「国語を学ぶことに高をくくっていた」「心から脱帽」し、「最初の45分で大村はまの生徒になった」。苅谷さんが語る大村先生との出会いの件はまさに信仰告白。そうそう、ちょうど苅谷さんはキリスト(大村はま)の言葉を伝えるヨハネやルカみたいなものなんでしょう。

「言葉の力は生きる力」というのがテーマ。「言葉」は世界に開かれた窓。100の言葉だけで生きていく人もいるけれど、それは近眼の人が星を見るようなもので、メガネをかければ星がいっぱい見えるのと同じで、世界の見え方が違ってくるはず、と。言葉は世界に開かれた覗き窓みたいなものだとも。

言葉の力というのは単に語彙力だけではなく、表現力、比喩力、構成力も含まれるんでしょうね。「言い換え力」というのが私としては一番腑に落ちるかな。「すごい」みたいに手垢がついて感動のない言葉を、矢のように鋭く伝わる言い方で表現する力、そして抽象的な言葉を具体的な言葉に言い換える力。

「余談になりますが、よく国語力は『読む』『書く』『話す』『聞く』の4つの力が大切と言われますが」という最後の方の話が印象的。「最近は『聞く』力が実は重要なのではと言われはじめています。では聞く力はどうやって育つのか?」

さあ、どうやって育つんでしょうね。「大事なことだからよく聞きなさい」と言って聞く子はいることはいるけどごく少数。大多数は「聞きなさい」と命令形で物を言ってもダメなんだそうです。ではどうするのか?

「思わずよく聞くという機会をマメにつくる」、つまり「ちゃんと聞けばこんなにわかる、楽しい」という脳の状態を実体験させるということなんだそうですわ。こりゃぁ、先生方大変でしょうね。思わず聞き入ってしまう話をせなあかんわけですから。そういう先生が大村先生であったのでしょうし、講師の苅谷先生もそうでしたわ、確かに。

良い音楽を聞く機会を与えれば子どもが音楽の楽しさを知って音楽の力も伸びる。何事もそうなんでしょうか。なになに、家で美味しい料理が食べたかったら、「美味しいもん作ってくれ」って言うんじゃなくて、妻を美味しいレストランに連れてけ?ごもっとも。






生中

テーマ:言葉・漢字
春はあけぼの、夏は夜。それは平安時代。今や「夏は生ビール」でしょ、やっぱ。でもって、
とりあえず生中

ということで、「生中」といえば、98%位の人はこれを思い浮かべますよね。私ですか?いやね、この字見てたら「なまなか」とも読むな、と。「なまなか」ってどういう漢字かなと調べたら、

あ、やっぱり「生中」でしたね。歌舞伎のセリフなんかで時々出て来るんですけど、「中途半端、どっちつかず」という意味。この手の言葉は結構たくさんありまして、「中途半端」を始め、「生半可」、これの短縮形の「生半」、「半ちく」なんていう言葉もあるようです。

あとね、「なまじっか」って言いますよね。元々「なまじい」という言葉があったようですが、いずれにせよ「なまじっか◯◯したばっかりに」というように、「無理にしようとすること」で「しなければよかったのに」という気持ちで用いますよね。

これ漢字で書けたら天才ですわ。て言うか、漢字の読みを答えろて聞かれてもまずわからんわ。Qさまとかに出題されたことあるんでしょうか。

 これが生字 で、憖っかでなまじっか

あ、そうそう、「生中(なまなか)」には、「そうすることがかえって良い結果とならず、まずいという気持ちを表す」というニュアンスも含まれるようですけど、これってむしろ「生大(なまだい)」を注文してしまった時に感じません?

少し割安だから頼んだものの、飲んでるうちにだんだんぬるくなってくるし、腹も膨れてくるし、こりゃあ「まずい」と。なまじっか「生中」をなまなかな意味で使い続けるより、むしろ「生大(なまだい)」という新語を作りたい気分です。

うめぼし

テーマ:言葉・漢字
この間、ビリのご当地方言である「げべ」について書きましたら、きれいやyさんから「今思い出したけど、げっちゃになった小さい子は 梅干しやから許される法則 ありませんでした?」という興味深いコメントを頂戴いたしました。

そう「うめぼし」。一緒に遊んでいて小さい子は鬼にならなくてすむ特別ルールがありましたよね。これって、当然全国的な用語だと思っていませんでした?でも、何で「うめぼし」というのか、理由がよくわかりません。

みーなやさざなみ通信の「湖北のことば」で取り上げられたことあるんでしょうかね?ま、私なりにこの件について調べてみようと思いましたら、「ウィフリ調査団」というドンピシャのサイトを偶然見つけました。質問もまさに「『うめぼし』って言う?」

どうやら、結論的にいうと全国的に「うめぼし」という地域は他に無いみたいですね。そもそも、これの標準語は何なんでしょうか?東京では「(お)みそ」「みそっかす」「(お)まめ」など、大豆、味噌系が使われておりますね。

大辞泉を引いてみますと、「みそ」には「泣きみそ」「弱みそ」など、「弱者をあざけっていう」意がございます。また、「まめ」は「豆記者」など「子どもである意を表す」とも。豆といえば節分で鬼が嫌うものですから、「鬼を避ける=まめ」という粋な説もあるようです。

「みそっかす」は本来「「すった味噌をこしたかす」でありますが、これは「子どもの遊びなどで一人前に扱ってもらえない子ども。みそっこ」と堂々と辞書に定義されてるんですね。やっぱり、「みそ」「みそっかす」が標準語かな。

関西では「ごまめ」が定番とありましたけど、そんな言い方聞いたことないですよね。やっぱりこの辺は関西ちがうのね。ちなみに「ごまめの歯ぎしり」とは「力のない者がいたずらに憤慨し悔しがること」のたとえ。

おいおい、と言いたくなるのが東北。「あぶらっこ」に「あぶらすっこ」に「あぶらしっこ」だとぉ~。あぶらをバカにするのもいい加減にしてけろ。就中、「あぶらしっこ」はあかんやろぉ~。

いずれにせよ、今は子どもが少なくなり、一人ひとりがゲームで遊ぶ世の中ですから、「みそっかす」も「うめぼし」も死語になっちゃうんでしょうかね。あ、「あぶらしっこ」もね。



にべもない

テーマ:言葉・漢字
昨日のブログの最後、W仏壇店さんの言い様に「にべもない」という言葉を思い出してしまいました。「そっけない、冷たい」という意味でよく使われますが、そういえば「にべ」って何なんでしょう?

調べてみますと、「にべ」とはスズキの仲間のお魚なんですね。で、その浮き袋が粘り気が強いんで接着剤の原料として使用されたと。それが「膠(にかわ)」や「にべにかわ」と呼ばれたんですね。

粘着力の強さから、「にべ」は他人との親密関係を意味するようにもなり、ひどく無愛想なことを「にべもない」や「にべない」と言うようになったそうです。

にべは漢字で「「鰾膠」もしくは「膠」と書くそうで、まさに「膠(にかわ)」なんですね。ちなみに「にかわ」とは「動物の皮や骨などから作られる接着剤」で純度が高いものはゼラチン。コラーゲンとかもその部類ですか?あ、ひょっとして「にかわ」は「煮皮」という製造過程から来てるんかな?

「膠漆(こうしつ)の交わり」なんていう言葉もあるんですね。「にかわ」と「うるし」で塗り固めたような交わりから極めて親密で堅い交わりの例え。あるいは「漆膠(しっこう)の契り」とは「夫婦や男女が添い遂げることを言い交わすこと」だそうです。「しっこ」とちゃうよ。

ふぅ~む、ニベアクリームの「ニベ」はどうなんやろ?膠が混ざったるんやろか?いやいや、ニベアはラテン語で「雪のように白い」を意味する niveus/nivea/niveum からだそうな。白いと言えば、K社の美白クリーム騒動で逆にニベアの人気がうんと上がり、棚にはすっかり「ニベもない」とか(嘘)。
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