素うどんをすすりに

テーマ:曳山・歌舞伎
三役修業塾では、今年度になって毎月曳山博物館のサロンで素義会(素浄瑠璃の会)を開いておりまして、各月2組づつ交代で20~30分の演目を市民や観光客の前で披露しております。

昨年までは、年に1,2回、塾生が全員出場する形で行なっていましたが、全部で6,7組となって最初から最後まで聞いていると2時間以上を費やしてしまいます。回数を増やし、時間を短くすることで演者も聞く側もより気楽に、ということで賀祝さんが提案されまして、実行することになったのです。

さて、三役修業塾は曳山祭に出場できる太夫・三味線を養成するのが目的でできた塾ですので、子ども歌舞伎で演じられる演目を稽古するのが本筋です。しかし子ども歌舞伎の演目はほとんどが、人形浄瑠璃から派生したいわゆる丸本物という芝居です。

ですので、我々はこうした文楽の演目も稽古するわけで、歌舞伎であれば役者が言うセリフも大夫が語ります。ちなみに、大夫が語り、三味線弾きが演奏し、人形遣いが人形を遣う三業が一体となったものを「文楽=人形浄瑠璃」といい、我々が披露するのは人形が無いので「素浄瑠璃」というわけです。

文楽の大夫である豊竹咲甫大夫(さきほだゆう)さん著の「文楽へ行こう」という本を読んでおりましたら、咲甫大夫さん、文楽を「うどん」に例えていらっしゃいました。なるほどうまいことおっしゃるなと感心したのですが、

「まず中心にどっしりと構えるうどんが大夫。味わい深くうどんを支えるだし(汁)が三味線弾き。華やかにうどんを彩る具が人形遣い。三つの合体で最高にウマいうどん=文楽が完成する」と書かれておりました。

てことで、我々の素義会(素浄瑠璃の会)は文字通り「素うどん」ですな。もちろん、プロの麺のようにコシも粘りもないし、出汁もコクやうま味に欠けはいたしますが、まあ只で食べていただけますのでね、気軽に素うどんすすりに来ていただけますと有難く存じます。



(お知らせ)
明日8月18日(日)午後2時より曳山博物館サロンにて今年度4回目の素義会を開催いたします。不肖甚太夫、「壺坂観音霊験記沢市内の段」、大夫相勤め申し上げまする。

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