茹でる

テーマ:言葉・漢字
茹だるような暑さが続いておりますが皆様お元気でしょうか。さて先日、メイさんから「茹でる」の「茹」は何でこんな字を書くのでしょうか、という質問を頂戴いたしました。なるほど、くさかんむりに「如し」が何で「茹でる」になるのか?

「ゆでる」とは「熱湯でやわらかく煮る」という意味ですけれども、古語は「ゆづ」で、日本で「茹」の字をこの意味に当てたようです。では、「茹」という字は元来はどういう意味なのでしょう?

大漢和字典によれば、「茹」は「くさかんむり+如」の会意兼形成文字で、「しなやかな菜のこと」。「如」は「しなやかに従う」という意味があるそうです。ちなみに「女」もしたたか、いやしなやかですもんね。

「茹」は名詞だと上記の意で「やわらかい野菜」。動詞だと「食う、噛んでやわらかくして食べる」の意。そして形容詞的な意味では「やわらか、ぐにゃぐにゃしている」。

ほんでね、「茹菜(じょさい)」は野菜を茹でるのではなく「野菜や山菜を食べる」という意味になるみたいです。ほんなら「茹魚(じょぎょ)」は「魚を食べる」という意味かと思いきや、「腐ってぐにゃぐにゃになった魚」だそうな。じぇじぇじゃ!なくて、じょぎょ!やな。

そうそう、「ゆでる」は「茹でる」ですけど、「ゆであがる」という意味の「ゆだる」は「茹る」。そして、「うだるような暑さ」の「うだる」は「茹だる」と送り仮名がつくそうな。あ、そうそう「うでる」という言い方もありますね。

こうやって辞書を色々と眺めていると面白い発見もありまして、「ゆでる」には「体の痛いところを湯にひたす」という意味もあるんですね。ひょっとして、疲れた腕を長いこと湯にひたしていたらゆであがってしまって、そこから「うでる」という言い方が生まれたんでしょうか?

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