言葉の力は生きる力

テーマ:まちづくり
昨日は長浜市教育研究発表大会が行われたのですが、発表後「大村はま記念国語教育の会」事務局長の苅谷夏子さんの講演を聞く機会に恵まれました。

大村はま先生は、日本の歴史上すぐれた教育者というアンケート調査をして福沢諭吉や吉田松陰を抑えて第一位になるほどの「すごい」方だそうです。もっとも「すごい」の一言で片付けられると悲しくなるので、「今日は『すごい』を禁句にして、大村はまのすごさを伝えたいと思います」と苅谷さん。

「私が会ったことのない類の人」「国語を学ぶことに高をくくっていた」「心から脱帽」し、「最初の45分で大村はまの生徒になった」。苅谷さんが語る大村先生との出会いの件はまさに信仰告白。そうそう、ちょうど苅谷さんはキリスト(大村はま)の言葉を伝えるヨハネやルカみたいなものなんでしょう。

「言葉の力は生きる力」というのがテーマ。「言葉」は世界に開かれた窓。100の言葉だけで生きていく人もいるけれど、それは近眼の人が星を見るようなもので、メガネをかければ星がいっぱい見えるのと同じで、世界の見え方が違ってくるはず、と。言葉は世界に開かれた覗き窓みたいなものだとも。

言葉の力というのは単に語彙力だけではなく、表現力、比喩力、構成力も含まれるんでしょうね。「言い換え力」というのが私としては一番腑に落ちるかな。「すごい」みたいに手垢がついて感動のない言葉を、矢のように鋭く伝わる言い方で表現する力、そして抽象的な言葉を具体的な言葉に言い換える力。

「余談になりますが、よく国語力は『読む』『書く』『話す』『聞く』の4つの力が大切と言われますが」という最後の方の話が印象的。「最近は『聞く』力が実は重要なのではと言われはじめています。では聞く力はどうやって育つのか?」

さあ、どうやって育つんでしょうね。「大事なことだからよく聞きなさい」と言って聞く子はいることはいるけどごく少数。大多数は「聞きなさい」と命令形で物を言ってもダメなんだそうです。ではどうするのか?

「思わずよく聞くという機会をマメにつくる」、つまり「ちゃんと聞けばこんなにわかる、楽しい」という脳の状態を実体験させるということなんだそうですわ。こりゃぁ、先生方大変でしょうね。思わず聞き入ってしまう話をせなあかんわけですから。そういう先生が大村先生であったのでしょうし、講師の苅谷先生もそうでしたわ、確かに。

良い音楽を聞く機会を与えれば子どもが音楽の楽しさを知って音楽の力も伸びる。何事もそうなんでしょうか。なになに、家で美味しい料理が食べたかったら、「美味しいもん作ってくれ」って言うんじゃなくて、妻を美味しいレストランに連れてけ?ごもっとも。






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