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左右ですか?

テーマ:よもやま話
さて、とある日の夕刊に大丸さんの売り出し広告が...。

「価値ある理由あり掘り出し市」とある。


スーツ、ジャンパー、バッグと、あまたある中で一際目を引く
紳士くつ5,250円

別にほしいわけじゃない。が...、




「サイズ不揃い」って、まさか....?






(お願い)
左右不揃いの大安売りですが、とりあえず履いてみて下さい(鳩)
これは孔雀です





夏のハマグリ

テーマ:言葉・漢字
先日、店番をしておりました時に、紙芝居や人形劇、お話の会などを幅広く展開されている「すずめの学校」主宰のMさんがお越し下さいました。

たまたま私が接客中だったものですから、「いいの、いいの、野暮用なんで」とかおっしゃいまして、何か紙にペンでさらさらと書いておられます。伝言でもあるのかな、と思いながら、商品を購入いただいたお客様を送り出しますと、

Mさん、私に「この間のさざなみ通信の記事『負けてまへんで』面白かったですよ。あれ読んでね、思い出したの、これ。」と、差し出されたのが、さきほどの紙。こんな風に書かれてありました。

思わず「ぷふっ」と吹き出してしまいました。先の記事に書いたお客さんは買ってくれましたので、これとはちょっとタイプは違いますが、「見てるだけ~」という冷やかしのお客様っていらっしゃいますよね。

そういうお客を見事に夏のハマグリに例えて、「見(身)くさ(腐)って 買い(貝)くさらん」と、売り手の悔しそうな思いまでこもった見事な表現になっております。

Mさんのお話ですと、こうした類の言い回しを集めた本もあるようですが、ちなみに「夏のハマグリ」で検索いたしますと、「おおさかことば」というサイトが出て参りまして、同様の「しゃれことば」が紹介されておりました。

でもやっぱり「夏のハマグリ」が一番秀逸ですね。Mさん、ありがとうございました。


(追記)
こんなお客ばかりでは、「かい(貝)くれ もうから(殻)ない」と思いがちですが、実は「見てるだけ~」は次回購入のための下見であることが多く、こうしたお客様への対応こそが店の印象を決定づけるのだとか...。「ありがとうございました」の一言を忘れたくないものです。



遺産で暮らす

テーマ:旅日記
(じんとにっく臨時休刊につき1週間前に書いた録字放送を公開しております。再放送ではありません)


エレベーターに乗り地下3階へ
そこは遺産駅???
まっすぐ行って右へ曲がって
トンネルをずんずん行くと
出口の向こうに目的の遺産が!

さてさて、「遺産で暮らす」と申しましても、「先祖のおかげで暮らさせていただいております」という結構なお話ではございません。旅の続きでございます。

トンネルの向こうにございましたのは、
かくなる景色でございました。
ここは、富山県は南砺市にある五箇山の「菅沼集落」でありまして、合掌造りの集落が残る「世界遺産」なのであります。ただし、白川郷のような(と言っても行ったことないんですが)「合掌造りのディズニーランド」と呼ぶべきテーマパークの趣とは程遠い単なる集落なんであります。

田んぼもあれば、車も置いてあるし、洗濯物も干してある、いわば「生きてる博物館」なのであります。中には、このように
展示館になっている建造物や、
喫茶店や土産物店を営んでいる方たちも居りますが、それ以外はごく普通のご家庭のようです。

従いまして我々は、決してしげしげとではなく、申し訳なさそうに、生活臭のある世界遺産の中での生活空間を「見せて頂く」という心構えが必要なのであります。

このようなタヌキの剥製も我々を招いてくれてはおりましたが、何かここで暮らす方たちが、言い方は悪いですが「動物園の動物」みたいな感じがしてくるのは不思議です。生活のにおいがする観光地と、洗濯物が見えるところを歩かせることとはまた別のように私は思います。

「世界遺産」という名誉と引換なのか、あるいはそれなりの補償がなされているのか不明ですが、「遺産で暮らす」のも楽ではなさそうですね。




新穂高ロープウェイ

テーマ:旅日記
(じんとにっく臨時休刊につき1週間前に書いた録字放送を公開しております。再放送ではありません)

今回の旅の目玉は何と言っても、「新穂高ロープウェイ」。本当は初日の午後に計画されておりましたが、天気があまり思わしくないことと、日曜日ということで、ロープウェイの待ち時間がかなり長そうだ、ということで急遽翌朝一番に変更となりました。

宿泊は平湯温泉だったのですが、宴会も早々に切り上げて(というか出だしが5時半だった)就寝、翌日は3時頃から起き出す人もおりましたが、7時朝食、8時に旅館を出発し、目的地へと向かいます。バスを降りた駐車場から少し歩いて、
ロープウェイ乗場へ
この「新穂高温泉」から大人44人乗りの第1ロープウェイで「しらかば平」まで上り、そこから2階建て120人乗りの第2ロープウェイに乗り継ぎまして「西穂高口」に到着です。

所要時間はそれぞれ4分と7分でしたか、とにかく速いです。特に上りと下りのゴンドラがすれ違う時にその速さを実感するのですが、反対方向へあっという間に過ぎ去っていきます。ドップラー効果は感じませんけど。一方、ゴンドラに乗るまでの待ち時間はかなりのもんで、長時間調理した料理をあっという間に食う、って感じです。

さ~て、頂上展望台へ上りましょう。「この上ない天気と言うのはこういう天気を指すのか」と言わんばかりの雲ひとつ無き快晴。空気は澄み渡り、ついつい「新米を 食うように 息を吸う」私でありました。
遠くに白山山系
西穂高に
中央にとがったのが槍ヶ岳
携帯カメラではこの程度
ということで、十分に実感してはいただけないでしょうし、そのつもりもないんですが、夏は「山滴る(したたる)」でしたっけ、その緑滴る近き山と水墨画のような遠き山系がおりなす色相、明度、彩度のコントラスト。360度いや建物の陰で一方向は見えなかったので270度の大パノラマを堪能いたしました。

旅の印象は天気次第と申しますが、この日の「新穂高」は私の中では完全に「新日本三景」に認定ですね。ていくさんやねむりはかせと一緒じゃなくて本当に良かったな、そう思ったひと時でした。


(追記)
新日本三景というのは既に決まっているらしく、大沼(北海道)、三保の松原(静岡)、耶馬溪(大分)だとか。あ、三景で思い出しましたが、東北にはもっと大胆なキャッチフレーズを掲げた観光地がございました。→こちら

飛騨高山まつりの森

テーマ:旅日記
(じんとにっく臨時休刊につき1週間前に書いた録字放送を公開しております。再放送ではありません)

9月13,14日の両日に亘りまして、同業者組合の旅行で、高山・奥飛騨へ行って参りました。なんかしょっちゅう旅行行ってるな、と思われるでしょうけど、4年ぶりなんですよ、この組合旅行は。昔は年に2回も行っていたそうで、メンバーもほぼ半減し8人。隔世の感がございます。

さて、高山といえば高山祭、高山祭といえば屋台会館、なのですが、今回は私のリクエストで、「飛騨高山まつりの森ミュージアム」を目的地の一つに加えていただきました。ここも高山祭をテーマにしているのですが、屋台会館と異なり、ここに展示されている屋台は平成になってから作られたものばかり。

実は3年前の平成18年1月に、曳山文化協会の伝承委員会が主催した「市民曳山まつり講座」で、「平成職人の挑戦」というDVDの上映と、その映画の製作チーフプロデューサーである益田祐美子さんの講演会を実施いたしました。

その映画とは、まさにこのまつりの森に展示されてある屋台が、全国各地の平成職人の最高の技術を結集して建造された過程を取材したドキュメンタリードラマだったのです。しかも、驚くべきことにその資金は、平成の大旦那と呼ばれた同地出身の中田金太氏(故人)がすべて拠出されたものでありました。

さて、同施設は高山市街地からやや離れた小高い山の上にありまして、山をくりぬいた地中博物館になっております。入口を入って、
トンネルのようなところを
抜けていきます。ここには、直系2~3mもある大きな太鼓が並べられており、入館者が素手で思い切り叩いて日頃の鬱憤を晴らすことも可能になっております。ハンズオンというやつですね。

そして、中の巨大なドームはほの暗く、そこには8台の屋台が巧みな照明効果を駆使して配置されており、さながら小宇宙空間の趣です。

各屋台では、時間差でからくりの上演が仕組まれておりましたが、時間の関係で一屋台だけ見ることができました。もう一度来て、一つ一つをじっくり楽しみたい、そんな気がする博物館です。屋台会館を「本物の屋台の静態展示」とするなら、こちらは「祭を再現する動態展示」ということでしょうか。

さて、同行した同業者達は普段は「長浜の曳山まつりなんか街の中の人だけのもんやがな」という顔をしておりましたのに、説明員さんの「高山祭は京都祇園祭、秩父夜祭と並んで日本三大曳山祭として...」という紹介に対して、むきになって「長浜の方が立派やろが~」といちゃもんをつけているのを見て、何だか嬉しくなりました。

この「まつりの森」、高山祭の屋台組(いわゆる山組)の人たちからは「祭の心がこもっていない」と評判はあまり芳しくないという噂も耳にいたしますが、少なくとも飛騨の匠を始めとする伝統技術の継承に果たした役割は計り知れないほど大きいと思われます。

中田金太さんのような大パトロンはなかなか期待できそうもありませんが、「平成の曳山」建造は長浜でもトライしてみたい夢ですね。







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