味曾有
テーマ:油甚本店
2013/12/12 09:08
ある小説を読んでおりましたら、「曾遊の地の思い出」という表現が出てまいりました。これまで見たことも聞いたこともない「曾遊」なる言葉。辞書で調べますと、「以前に訪れたことがあること」という意味だそうです。なるほど、ちょっと小粋な表現ですね、これは。
読みは「そゆう」だと思いましたら、さにあらず「そうゆう」または「ぞうゆう」とあります。「ぞうゆう」で思い出したのが、麻生財務相が総理大臣の時に「未曾有(みぞう)」を「みぞうゆう」と誤読したこと。マスコミが鬼の首を取ったかのように騒ぎましたよね。
「未曾有」とは「未だ曾て(かつて)有らず」ということなんですが、てことは「以前にあったこと」は「曾有」なんじゃないかとふと思いまして調べますとそんな言葉は無いみたいですね。
ほんじゃ、「未だ曾て訪れたことのない」という意味で「未曾遊」という言葉はあるのか?いやいや、これも有りそうで無いんですね。しかしもしあったら、読み方はこれこそ「みぞうゆう」なんでしょうな、当然。もしかしたら、麻生さん、この意味で「みぞうゆう」と言ったんじゃぁ....、無いわな。
あれこれ調べますと、「未曾有(みぞう)」の書き間違いで「味曾有」なんてのもあるみたいですな。あ、そうそう、うちの店に醤油やポン酢も売っていることは前に書きましたけど、味噌もあるんでっせ。
これがみそ
まさに「未曾有の味噌有」、でございます。
読みは「そゆう」だと思いましたら、さにあらず「そうゆう」または「ぞうゆう」とあります。「ぞうゆう」で思い出したのが、麻生財務相が総理大臣の時に「未曾有(みぞう)」を「みぞうゆう」と誤読したこと。マスコミが鬼の首を取ったかのように騒ぎましたよね。
「未曾有」とは「未だ曾て(かつて)有らず」ということなんですが、てことは「以前にあったこと」は「曾有」なんじゃないかとふと思いまして調べますとそんな言葉は無いみたいですね。
ほんじゃ、「未だ曾て訪れたことのない」という意味で「未曾遊」という言葉はあるのか?いやいや、これも有りそうで無いんですね。しかしもしあったら、読み方はこれこそ「みぞうゆう」なんでしょうな、当然。もしかしたら、麻生さん、この意味で「みぞうゆう」と言ったんじゃぁ....、無いわな。
あれこれ調べますと、「未曾有(みぞう)」の書き間違いで「味曾有」なんてのもあるみたいですな。あ、そうそう、うちの店に醤油やポン酢も売っていることは前に書きましたけど、味噌もあるんでっせ。
これがみそ
まさに「未曾有の味噌有」、でございます。
胡麻ラー油
テーマ:油甚本店
2013/11/16 09:24
もう3年くらい前でしたっけ、食べるラー油が流行ったの。あれって今はどうなんですか?今でも皆さん相変わらず食べてやあるんでしょうか?私は結局買わないうちにブームが去りましたわ。
メーカーから四季ごとに発行される小冊子に記載されている料理のレシピを、店のウィンドウで紹介しているのですが、この夏号は「胡麻ラー油を使った料理」でした。ところが、これまでラー油の販売をしておりませんでした。
さすがに、それはまずかろ、と思いましてメーカーに問い合わせて、とりあえず夏の間だけでも置いて、売れ残ったら適当に配ろうくらいに思っておりましたら、予想に反しましてこれが意外と売れまして、結局秋になってからも継続販売することに。
この胡麻ラー油。胡麻油ととうがらしだけで作られており、他には何も混ぜ物無し。そんなん当たり前と思うなかれ。普通に100円くらいで売ってるやつは、油も胡麻油ではない安物が混じり、とうがらしも香料や着色料を混ぜたものもあるらしい。風味もくそもあったものではないようです。
ラー油というとぎょうざのタレくらいしか利用法を思いつかなかったのですが、上記冊子のレシピによると、辛い料理例えばエビチリなどの炒め油としての用途も書かれており、実際試してみましたが確かに美味い。
胡麻ラー油と言えば思い出すのが出前一丁。久しぶりにあの味が懐かしくなりまして他のラーメンで試してみることに。最近マイブームとなっているエースコックワンタンメンのしょうゆ味でチャレンジ。
これおススメです
う~ん、う゛ま゛い!これはちょっとやみつきになりそうなお味。これから鍋の季節になりますが、それに少し垂らしてもいける予感。
多分売れまいと値段設定に失敗して400円でほとんど儲けなし。ちょっと容量が多いのが難点ですけど、辛いものが好きな方には是非お勧めです。と、久しぶりの商品宣伝でしたな。
(追記)
朝日新聞の香港駐在記者によれば、香港では件の「出前一丁」が驚異的に浸透しており、外食では注文していなくても副菜として出てきてしまうそうで、「出前一丁」はもはや商品名ではなく、即席麺を表す普通名詞と化しているそうな。
メーカーから四季ごとに発行される小冊子に記載されている料理のレシピを、店のウィンドウで紹介しているのですが、この夏号は「胡麻ラー油を使った料理」でした。ところが、これまでラー油の販売をしておりませんでした。
さすがに、それはまずかろ、と思いましてメーカーに問い合わせて、とりあえず夏の間だけでも置いて、売れ残ったら適当に配ろうくらいに思っておりましたら、予想に反しましてこれが意外と売れまして、結局秋になってからも継続販売することに。
この胡麻ラー油。胡麻油ととうがらしだけで作られており、他には何も混ぜ物無し。そんなん当たり前と思うなかれ。普通に100円くらいで売ってるやつは、油も胡麻油ではない安物が混じり、とうがらしも香料や着色料を混ぜたものもあるらしい。風味もくそもあったものではないようです。
ラー油というとぎょうざのタレくらいしか利用法を思いつかなかったのですが、上記冊子のレシピによると、辛い料理例えばエビチリなどの炒め油としての用途も書かれており、実際試してみましたが確かに美味い。
胡麻ラー油と言えば思い出すのが出前一丁。久しぶりにあの味が懐かしくなりまして他のラーメンで試してみることに。最近マイブームとなっているエースコックワンタンメンのしょうゆ味でチャレンジ。
これおススメです
う~ん、う゛ま゛い!これはちょっとやみつきになりそうなお味。これから鍋の季節になりますが、それに少し垂らしてもいける予感。
多分売れまいと値段設定に失敗して400円でほとんど儲けなし。ちょっと容量が多いのが難点ですけど、辛いものが好きな方には是非お勧めです。と、久しぶりの商品宣伝でしたな。
(追記)
朝日新聞の香港駐在記者によれば、香港では件の「出前一丁」が驚異的に浸透しており、外食では注文していなくても副菜として出てきてしまうそうで、「出前一丁」はもはや商品名ではなく、即席麺を表す普通名詞と化しているそうな。
アブラギリ
テーマ:油甚本店
2013/07/25 09:04
先日、アブラギリの製油がかつて菅浦の主要産業だったということを書きました。恥ずかしながら、アブラギリという植物があることをこれまで知りませんでした。
いや、桐油の存在は知っていたんですよ。かつては燈明用に使われていたそうですけど、乾性油ですので現在は家具や建材の塗料として使用されます。うちは同じ用途ではもっぱらエゴマ油を扱っており、桐油は販売しておりません。
そもそも、桐油って何と読むんでしょうね。アブラギリから取れるのでキリアブラ?キリユ?それとも音読みでトウユか?と思って調べてみますと、どうやらどれでもオーケーみたいです。でも、トウユってのは灯油とまぎらわしいし、キリユってのが何となく可愛らしいですね。
まあ、どれでもいいんですけど、私自身の苗字に「桐」がつきますので、何となく愛着が湧きますね、桐油。しかし、原料は普通の桐でなくって特別に油桐という名前がついておりますから、あるいは別の植物なんでしょうか?
と思いまして、調べてみましたら、トウダイグサ科の植物と書かれております(普通の桐はシソ目キリ科)。そして、エレオステアリン酸なる毒を含んでいるため食用にはできず、普通のエゴマに対比して別名「毒荏(ドクエ)」というらしい。
台湾では「桐」という字は「アブラギリ」を指すそうな。なお私はアブラぎっておりませんし、毒もありませんよ。悪しからず。
いや、桐油の存在は知っていたんですよ。かつては燈明用に使われていたそうですけど、乾性油ですので現在は家具や建材の塗料として使用されます。うちは同じ用途ではもっぱらエゴマ油を扱っており、桐油は販売しておりません。
そもそも、桐油って何と読むんでしょうね。アブラギリから取れるのでキリアブラ?キリユ?それとも音読みでトウユか?と思って調べてみますと、どうやらどれでもオーケーみたいです。でも、トウユってのは灯油とまぎらわしいし、キリユってのが何となく可愛らしいですね。
まあ、どれでもいいんですけど、私自身の苗字に「桐」がつきますので、何となく愛着が湧きますね、桐油。しかし、原料は普通の桐でなくって特別に油桐という名前がついておりますから、あるいは別の植物なんでしょうか?
と思いまして、調べてみましたら、トウダイグサ科の植物と書かれております(普通の桐はシソ目キリ科)。そして、エレオステアリン酸なる毒を含んでいるため食用にはできず、普通のエゴマに対比して別名「毒荏(ドクエ)」というらしい。
台湾では「桐」という字は「アブラギリ」を指すそうな。なお私はアブラぎっておりませんし、毒もありませんよ。悪しからず。
百年粗家
テーマ:油甚本店
2013/05/21 09:05
実は昨日の午後テレビ番組の収録がございましたんやわ。とある筋からお話を頂戴いたしまして、BS5チャンネルの「百年名家」という番組に出していただけることになりました。
この番組、日曜日のひるごろの放映。いつもは昼ごはんを食べながらネプリーグを見ておりまして存在すら知りませんでした。前もってちょっと見てみましたら、何だか格調高い番組で、とんでもないおおさわな立派な家ばっかり出てきますやん。
うちの家は「百年」は当たってますが、「名家」と呼ぶにはあまりにみすぼらしい「粗家」。事前に打ち合わせ来られた番組制作ディレクターも、ちょっと家の中を見て同情して下さったのか、「撮影はお店だけにしておきましょうね」。
ま、今回番組では、私どもの2軒南に位置し長浜で最も古いと言われている四居家がまさに「百年名家」の一つとして取り上げられるんだと思いますが、江戸以前から四居家が代々営んできた油商を、奉公していたうちの初代が明治中期に実質的に引き継いだわけです。
そういう関係で、店内に残っている油壺や量り売りの道具はまさに「油甚」の歴史を超える存在。そうした道具を現在にも実際に活かしながら商売を継続しているところを評価していただいたようです。
さて、こうした収録はたいてい時間が遅れるのが常なんですが、スタッフが予定の30分前くらいに来られて、「少し時間が早まりまして、あと5分くらいで来られます」「え゛~っ」
慌てて体制を整えているところにどやどやと収録スタッフ。続いて、タレントの八嶋智人さんと牧瀬里穂さん。トリビアの八嶋さんに負けまいと、色々と油や道具についてのうんちくを、じんとにっく宜しくうだうだと。後は見てのお楽しみ。
しかし、牧瀬里穂さんは20年前に長浜が寅さんの「男はつらいよ」の舞台になった時に出演されたんですが、20年経ったとは思えない美しさ。ま、見とれている間もなく収録が進んでしまいましたが。
記念写真も撮っていただき、色紙にサインまでいただきましたわ。最後に「ありがとうございました」と牧瀬さんの方から握手を求めて下さいまして、あ~もったいなや、かたじけなや。さっき油量る枡を触ったんで、ちょっと油臭いけど、まあええかぁ。ごめんなさいね、牧瀬さん。
八嶋さん、牧瀬さん、そして番組制作に関わられましたすべての皆さん、本当にありがとうございました。
この番組、日曜日のひるごろの放映。いつもは昼ごはんを食べながらネプリーグを見ておりまして存在すら知りませんでした。前もってちょっと見てみましたら、何だか格調高い番組で、とんでもないおおさわな立派な家ばっかり出てきますやん。
うちの家は「百年」は当たってますが、「名家」と呼ぶにはあまりにみすぼらしい「粗家」。事前に打ち合わせ来られた番組制作ディレクターも、ちょっと家の中を見て同情して下さったのか、「撮影はお店だけにしておきましょうね」。
ま、今回番組では、私どもの2軒南に位置し長浜で最も古いと言われている四居家がまさに「百年名家」の一つとして取り上げられるんだと思いますが、江戸以前から四居家が代々営んできた油商を、奉公していたうちの初代が明治中期に実質的に引き継いだわけです。
そういう関係で、店内に残っている油壺や量り売りの道具はまさに「油甚」の歴史を超える存在。そうした道具を現在にも実際に活かしながら商売を継続しているところを評価していただいたようです。
さて、こうした収録はたいてい時間が遅れるのが常なんですが、スタッフが予定の30分前くらいに来られて、「少し時間が早まりまして、あと5分くらいで来られます」「え゛~っ」
慌てて体制を整えているところにどやどやと収録スタッフ。続いて、タレントの八嶋智人さんと牧瀬里穂さん。トリビアの八嶋さんに負けまいと、色々と油や道具についてのうんちくを、じんとにっく宜しくうだうだと。後は見てのお楽しみ。
しかし、牧瀬里穂さんは20年前に長浜が寅さんの「男はつらいよ」の舞台になった時に出演されたんですが、20年経ったとは思えない美しさ。ま、見とれている間もなく収録が進んでしまいましたが。
記念写真も撮っていただき、色紙にサインまでいただきましたわ。最後に「ありがとうございました」と牧瀬さんの方から握手を求めて下さいまして、あ~もったいなや、かたじけなや。さっき油量る枡を触ったんで、ちょっと油臭いけど、まあええかぁ。ごめんなさいね、牧瀬さん。
八嶋さん、牧瀬さん、そして番組制作に関わられましたすべての皆さん、本当にありがとうございました。
やっぱり太ったか
テーマ:油甚本店
2013/05/11 09:30
この間、店のウィンドウ北側壁面のポスターの貼り直しをしていたところ、三人連れの中年のご婦人方がお通りになり、そのうちのお一人が振り返って私に向かって微笑んで会釈をなさいます。
え!知り合い?と思って、目を細めてお顔を確認したのですが、すぐには思いつきません。しかし無視するわけにもいきませんので、こちらもお辞儀を仕返します。
すると、同行者の一人のご婦人が、「違うわよぉ~。あの人は関係無いわよぉ。この店の方じゃないわよぉ」とおっしゃる声が聞こえて参りました。ややハスキーで低温の声で。いや私はこの店のもんなんですけど、と言い返そうかと思った瞬間、
「え!お宅この店のご主人?」とお尋ねになりますので、「はい、そうですよ~」と申し上げましたら、「うそ~、太ったでしょ~?」と、何と率直な物言い。
その後、お三人さん、うちの店に入ってお買物をし始めた様子でしたので、ポスターを貼り終えて私も店に戻ります。「ね~、ホントちょっと太ったでしょう?」「え~、まあそうかもしれません」「いや、そうよぉ~、太ったわよぉ~」
そこまで言われますので、私も随分昔に来られたお客さんかと思いまして、「え、何年前にお越しになりましたぁ?」と聞きますと、「まぁ、失礼ねぇ~、半年も経ってないわよ。私たち年に2,3回来るわよねぇ」とお連れの方に相槌を求める。
「いや~、半年くらいだったらそんなに変わってないと思いますよぉ~」。「え、そうかしらぁ~」。表を見ると会話が聞こえたのか、お向かいの奥さんまでが笑いながら表に出てきているじゃあないですか。向かいの奥さんも「そうそう、太った、太った」って同調して言いに来てやあるんやろか。
「そうですね。やっぱ仕事してないしな」と申し上げると、「うん、そうそう」って。たまたま店に出ていた母が「お客さんどちらから?」と聞きますと、「◯◯よ。あの、◯◯の花嫁の方じゃなくて、ほら茶碗の◯◯。ドブ川の流れる◯◯よ」と。
見てろぉ~、今度会う時は、「あ~ら、ご主人痩せたでしょう」て言わしたる。
え!知り合い?と思って、目を細めてお顔を確認したのですが、すぐには思いつきません。しかし無視するわけにもいきませんので、こちらもお辞儀を仕返します。
すると、同行者の一人のご婦人が、「違うわよぉ~。あの人は関係無いわよぉ。この店の方じゃないわよぉ」とおっしゃる声が聞こえて参りました。ややハスキーで低温の声で。いや私はこの店のもんなんですけど、と言い返そうかと思った瞬間、
「え!お宅この店のご主人?」とお尋ねになりますので、「はい、そうですよ~」と申し上げましたら、「うそ~、太ったでしょ~?」と、何と率直な物言い。
その後、お三人さん、うちの店に入ってお買物をし始めた様子でしたので、ポスターを貼り終えて私も店に戻ります。「ね~、ホントちょっと太ったでしょう?」「え~、まあそうかもしれません」「いや、そうよぉ~、太ったわよぉ~」
そこまで言われますので、私も随分昔に来られたお客さんかと思いまして、「え、何年前にお越しになりましたぁ?」と聞きますと、「まぁ、失礼ねぇ~、半年も経ってないわよ。私たち年に2,3回来るわよねぇ」とお連れの方に相槌を求める。
「いや~、半年くらいだったらそんなに変わってないと思いますよぉ~」。「え、そうかしらぁ~」。表を見ると会話が聞こえたのか、お向かいの奥さんまでが笑いながら表に出てきているじゃあないですか。向かいの奥さんも「そうそう、太った、太った」って同調して言いに来てやあるんやろか。
「そうですね。やっぱ仕事してないしな」と申し上げると、「うん、そうそう」って。たまたま店に出ていた母が「お客さんどちらから?」と聞きますと、「◯◯よ。あの、◯◯の花嫁の方じゃなくて、ほら茶碗の◯◯。ドブ川の流れる◯◯よ」と。
見てろぉ~、今度会う時は、「あ~ら、ご主人痩せたでしょう」て言わしたる。