油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記

老いる日本

テーマ:まちづくり
ちょうど一年前、つまり昨年の12/29のブログで紹介いたしました藻谷浩介氏の著作「実測!ニッポンの地域力」という本を図書館で借りて読みました。

世の中で常識と思われていることを、綿密な調査に基づいた資料、統計によってことごとく覆す、まさに筆者曰く「目のウロコ落としの旅」の道しるべとなる1冊でありました。

筆者から読者への質問の一つに「わが国の人口に関して、2005年の国勢調査と20年後の2025年の予測値を比べて、次のうち正しいものはどれか」というものがありました。

 A.総人口は2割減るのに、75歳以上人口は全く減らない
 B.総人口は2割減るのに、75歳以上人口は逆に2割増える
 C.総人口は1割も減らないが、75歳以上人口は9割も増える

皆さん、どう思われます?私は直感的にBかな、と思ったのですが、正解は何とCだそうです。つまり、「高齢化」というのは「高齢化率」の上昇ではなくて、高齢者数の激増なんだということが世の認識から抜け落ちている、というわけです。

さらに高齢者の絶対数の増加は、地方よりも大都市圏の方が急速であり、「都会は栄え、地方は衰退する」という思い込みが日本人の頭に染み付いているがこれは間違い。首都圏に住む若い女性は他に楽しいことが一杯あるのか子どもを産もうとせず、ここへ若者が集中することが日本消滅を招く、と喝破されております。

さて少子化対策として子ども手当等の政策が検討されておりますが、今から急激に出生率を回復しても手遅れで、急増する高齢者に加えて依存人口比率が上昇するため、その親世代は自分の親と子どもの両方の世話という負担に耐えきれないであろう、とも言われております。(「資本開国論」(野口悠紀雄/ダイヤモンド社))

残念ではありますが、高齢者増ということは年金受給者の受取分が減っていかざるを得ないということであります。外国人労働者の大量移入を受け入れるのならともかく、そうでなければ年金の受取減を甘んじて受ける以外に道はないように思います。

そして、もう一つ団塊の世代という巨大な高齢者予備軍を生み出したもの、それは戦争であったということを私たちは忘れてはいけないと思います。

コメント

  1. 2009/12/29 11:38
    あと15年先に生きていなければ

    この予測を見届けることが出来ませんね。(笑)

    頑張って生きようっと。

    2015年にはうちの町内の人口が半分になります。しかも、高齢者ばかり。

    新しい人が入ってこなければの話ですが

    これは、うちの街だけの話やない

    中心市街地にも言えることで

    これは大変なことになります。

  2. 2009/12/29 14:00
    私が高齢者と言われるようなときには、昔のようなスタイルに戻っていれば案外上手くいくような気がいたします。
    田畑の耕作と保存技術の向上で自給率が上がり、高齢化による消費の減少で大手スーパーは撤退し買物は歩いていけるご近所の小売店(自宅営業)が微増。
    質素な暮らし方をせざる得ない状況下で、食や光熱費(自家発電)などの自給率が向上していることが考えられ、ご近所と肩をすり寄せ合って暮らしていくような感じです。
    いったん捨ててしまったものがまた帰ってくる感じでしょうか。
    こうやって考えますと、歳はとっても楽しい暮らしが待っているなぁ、なんて思えますね。
    ちと楽観的過ぎますかね~(笑)。
  3. 2009/12/29 14:58
    恐ろしい話ですが 確実に訪れるんですよね?
    子供手当は私の年金先取りと思い貯蓄せねばかも(汗)
  4. 2009/12/29 17:00
    >まーぼうさんへ
    新しい人が全く入ってこないということはないと思います。そのための中心市街地活性化ですからね。コンパクトシティが高齢者社会の解決策ということなのでしょうかね。

    >tossanへ
    まさにコンパクトシティの考え方はそれだと思います。まだ地方は人間同士の結びつきが密接で可能性がありますが、それが希薄な都市圏で高齢者が激増した時どうなるのでしょうね。長浜を高齢者社会の見本になるような町にしたいですね。

    >えべっさんへ
    子ども手当で子どもが増えたとしても、それを育てる世代と急増する高齢者の世話をする世代が同じでは、待っているのは悲劇だけです。今のままでは多分外国人の流入は避けられないのではないでしょうか?年金はあきらめましょう(泣笑)
  5. 2009/12/29 21:03
    ご近所にも80才を過ぎて元気に働いておられる高齢者がおられますが、健康で自立できる高齢者がおおければ、社会の負荷は軽減されるのでしょう。
    健康維持を最優先に、WALKINGを続けられることを願っています。

    下駄やのおじさん
  6. 2009/12/29 22:26
    これからの高齢化社会の問題の本当の姿を教えていただきありがとうございます。問題点がわかったのなら、それに対してtossanさんがおっしゃることも踏まえて真に豊かな社会の構築のために理想をイメージして取り組んでいくべきでしょうね。それに対してなぜか政治家は選挙の事もあるのでしょうが場当たり的な施策ばかり考えているような気がします。
  7. 2009/12/29 23:48
    団塊の世代が波頭のように時代とともに通り過ぎていくわけですね。
    事実として受け止めなければ並んでしょうな。ため息とともに。

    その藻谷氏とシンガポールでご一緒することになりましたので、いろいろ聞いてきます。

  8. 2009/12/30 00:14
    中心市街地活性化法は、国の金を助成してもらうのに有利になるだけで、助成が担保されているわけではありませんよね。
    中活があったところで、動かなければなんにもならないのです。

    国は地元のやる気を確かめています。

    だからこそ、有志を集い出資金を出してまちづくり会社を作ったわけです。

    コンパクトシティを作るといっても、誰も作ってくれません。住民がどれだけ危機感をもって、やる気を出すかが問題なんです。

    ほっておいても新しい人は入ってきません。


    ただ、日本全体で見た時、ただ単に人の移動でしかなく、根本的な解決にならず、破綻するでしょうねぇ。

    そうならないように、知恵を絞らないといけません。
    他人頼みじゃなくね
  9. 2009/12/30 07:40
    おはようございます。待ったなしの状態ですね。
    この問題の根本は何でしょう?油屋さんがおっしゃるように戦争です。というより、戦後の占領政策の結果です。根っ子を断ち切られたわが日本民族は、まさしく根無し草の様相です。それが、特に政治に現れ、晩婚どころか結婚しない人が急増しているという現象につながっています。子ども手当てなど、何の解決にもつながらないでしょう!むしろ逆効果ではないかと思います。この問題の根本解決は、私たち日本人が民族としての誇りを取り戻すことです。日本民族の根っ子の話が、日本の始まり国づくりの物語が、普通に語れる社会になったとき、変わっていくと思います。この話を敬遠する人は多いと思いますが、いつしかわかってもらえると信じます。それは10年後か20年後か、もっと先かも知れませんが。
    私たちの未来である子どもたちに、どのような社会を築いていくのかは私たちの世代の責任です。戦前の日本と戦後の日本が、一本の太い柱でつながったとき、子どもたちの未来は明るくなり、結婚して子孫繁栄を願う人がどんどん増えると思います。未来に希望の持てる社会づくり、それは根っ子と深くつながることから始まります。
    感謝
  10. 2009/12/30 09:51
    >ゲッティさんへ
    おっしゃる通り、健康であれば高齢でも全然問題ないわけです。健康で生きることは、まず第一の解決策だと私も思います。

    >ぱんやさんへ
    いやいや、お礼は私ではなく藻谷さんに言ってください(笑)。できれば、この本読んでみて下さい。私は図書館で借りました。

    >ねむりはかせへ
    残念ながらそういうことです。都市部のいわゆるかつてのニュータウンは今後悲惨なことになるんではないでしょうか。藻谷氏とは以前からご懇意のようで、はかせのブログにも何度か登場されてますよね。よろしくお伝えくださいませ。

    >まーぼうさんへ
    「天は自ら助くる者を助く」、まさにその通りであると思います。しかし、コンパクトシティ化は国全体の指針であるべきで、その実現のためにはこの高齢者急増の事実をもっと国民に訴えるべきなのかもしれません。

    >船浅さんへ
    道徳的にはおっしゃる通りかもしれません。しかし、このいびつな人口構成が生まれたことと、占領政策とは関係ないでしょう。いずれにせよ、この問題の解決なしに戦後は終わらないと思います。

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