子供の人権と技の継承

テーマ:まちづくり
昨晩は7時から曳山博物館で第3連合自治会の人権学習会。講師は子供歌舞伎の振付師、市川団四郎氏でテーマは「曳山まつりと子どもたち」。

御自身「私は人権なんてものを偉そうに語れるような人間ではございませんので、そういう話を期待されてもこの先これっぽっちも出てまいりません」と話を始められましたが、確かに人権学習会と聞くと、まず難しい話というイメージが先立ち、ついつい罪悪感を感じながらも足が遠のいてしまうもの。

昨年同時期に伝承委員会の楽衆塾が開催され、講師として招かれた団四郎先生とお姉様の小紫先生による「矢口渡」の一部実演が大層好評で、今年もそんなサプライズがあるのではと期待して集まった聴衆は第3連合内外から約80人。(今年は輝虎配膳の実演がありました)

人権学習と関係ないのでは?という批判もあるかもしれませんが、会場、講師ともに地域特性が生かされており、実際のところ講話の内容も子供歌舞伎の振付指導を通じた「子供の人権」に踏み込んだ内容であったと思います。少なくとも「子供」は「子ども」と書くべしという人権論より100倍良い。

稽古は30分やったら30分遊ばせる。本番が上手くいくことも重要だが稽古期間も含めて子供が楽しめ、「あ~良かったなあ」という思い出が残ることが一番。子供が遊んでいる様子を見ながら各人の性格をつかみ、指導法に活かしていく。そんな手法で振付に取り組んでおられるそうです。

歌舞伎におけるセリフの重要性を強調され、同じセリフが、時代物の侍、世話物の侍、町人、乳母、町娘など役柄に応じて全く異なるものになることを実演をもって教えて下さいましたが、子供たちもそうした役柄をそれぞれが演じ切っていくわけです。

達成度は個々人によって異なりはするけれども、どの子もそれぞれの持場があり、見せ場があり、観衆から拍手喝采を受ける。「認められた」ことを自覚できること=承認欲求の達成。それは普段の生活にも共通で、それこそが「子供の人権」なのではないか。そんなことを感じる人権学習会でした。

さて、この日ワイドショーでは先頃すい臓がんの手術を受けた歌舞伎俳優坂東三津五郎さんの会見をやっていましたが、「先輩方から預かった芸という荷物を後輩たちに渡していくという自分の役目をより強く感じている」という言葉が印象的でした。

そして団四郎先生の講演の時にはプロ野球選手の引退セレモニーが不思議とついて回り、昨年の金本に引き続き今年は広島の前田選手。カープ一途を貫いた天才打者は言葉ではなく背中で後進を引っ張り、その目標となってきたのでしょう。

三津五郎さんも前田選手も一流プレーヤーとしての立場から、技術や芸の継承という後進の育成という指導者としての役割が重視され、その自覚も必要な年齢になったということでしょうけど、これは他人事ではありませんね。

芸や技術の継承の仕方は様々でしょうが、団四郎先生は指導者の条件として「歌舞伎が好きなこと」「教えるのが好きなこと」「子どもが好きなこと」そして「女性(異性)が好きなこと」だ、とおっしゃっておられました。やっぱり正直な人は子供に信用されるんでしょうな。

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