子どもから子供へ

テーマ:言葉・漢字
先週、日経新聞で「文科省が『こども』表記を漢字表記に統一」という記事を目にいたしました。これって、気がつかない人もおられるかと思いますが、近年はあえて「子ども」という漢字とひらがなの混ぜ書きが意図的に使用されていたのは事実。

長浜の子供歌舞伎も「子ども歌舞伎」と表記されているはずです。何でこんなことなっていたのか?「子供」と書くと「お供をするこども、召し使われるこども」あるいは「子を供える」を意味するという説を立てていちゃもんをつけた人が居て、人権団体からの批判を恐れてか行政機関などは「子ども」表記に逃げていたようです。

私は町の人権推進委員(当時は同和教育推進委員?)を平成10年頃から3,4年間務めていたのですが、一度市の推進員研修会で、講師の方がこの話をされて、同様の趣旨で「子供」と表記してはいけないんだと力説されたことを明確に覚えています。

その時から、強烈な違和感を覚えておりましたが、その後「日本子ども史」(森山茂樹、中江和恵/平凡社)に、「この説に全く根拠は無く、『子供』の『供』は接尾語で格別の意味はない、『供物』『供花』という用例はあるが『供子』という言葉は無い」と書かれているのを読み我が意を得たりの思いでした。

よくよく考えてみると、確かに「女ども」とか「野郎ども」みたいに、蔑んだ言い方する時に漢字+平仮名混合表記をするわけで、そういう意味では「子ども」の方こそがおかしいですよね。子供はダメは完全な言葉狩りですね。

毎日新聞の報道によれば、文科省内ではこれまでも表記に関する内規は存在しなかったようで、慣例で「子ども」表記が一般的になっていたらしいですが、これを確認した下村文科相が今回「子供」表記の統一に踏み切った模様。

しかし、かく言う私も「子供」派でありながら、やっぱり無難な「子ども」表記をしてきたわけで偉そうなことは言えず、この間にすっかり「子ども」に慣らされてしまった自分に気がつきます。習慣は恐ろしい。

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