父と乳と母と毋

テーマ:言葉・漢字
先日、私が高校生のときに考えた秩父事件の年号(1884年)の覚え方「いい母よいちち持っている」に関し、その中の「ちち」について、喧しき議論が渦巻いておりました。これは「父」なのか、あるいは「乳」なのかと。いやむしろ「秩」だろうと。

事の真偽は措いときまして、皆さん「母」という字の成り立ちはよくご存知ですよね。そうです、乳首をつけた女性を描いた象形文字ですよね。むしろ、おっぱいそのものを横にして字にしたような感じですが、よく見ると母という字の中には、ちゃんと「女」がありますよね。

さて、「母」に対して「父」という字は一体どういう意味なのか?何か泣きそうになっている情けないおっさんの顔に見えないこともありませんが。これは「おの+手」の会意文字で、手に石斧を持って打つ姿を示すそうな。(ちなみの、斧の原字とか)

もともと成人した男性を示すのに、「夫(おとこ)」という字を用いたが、のち「父」の字も「おとこ」の意に当て、細分して父は「ちち」を、夫は「おとこ、おっと」を表すようになったそうです。

さて、注目の「乳」ですが、見たところちっとも乳らしくないわけですが、この字の左の部分は「子どもを手でおおってかばうさま」であり、一方右の部分は乙鳥の乙(つばめ)の変形。中国ではつばめは子授けの使いだと信じられていたそうです。

「孚+乙(つばめ)」の会意文字で、子を育てるの意を示し、やわらかくねっとりとした意を含む、と字典にはありますが、字だけ見てるとそんな意味が含まれてるとは思えませんで、むしろ「母」と「乳」は逆にしたいくらいです。

あ、そうそう、母という字を「毋」と書く人いませんか?これね、全然違う意味みたいですよ。これは「なかれ」という禁止をあらわすことば。毋は「女+━印」からなり、女性を犯してはならないと差し止めることを━印で示した指示文字だそうです。

くれぐれも、誤用されること毋れ。

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