襲う

テーマ:言葉・漢字
今年の歌舞伎界の話題といえば、中村勘太郎が父勘三郎が名乗っていた「勘九郎」を襲名することでしょうか。歌舞伎界はこのように家代々に伝わる名跡を後代に綿々と伝えていく世界なんですね。そういえば、襲名の「襲」という字には今年の干支「龍」が入っていますね。

ところで、「龍」と「竜」はいったい何がどう違うのか。そんな素朴な疑問をお持ちになったことはないでしょうか?結論から申しましょう。どの辞書を見ても「龍」は「竜」の旧字体、とばっさり。つまり、龍でも竜でも意味は同じというわけです。

大漢和字典によれば、「龍」という字は、「もと、頭に冠をかぶり、胴をくねらせた大蛇の形を描いた象形文字。それに、いろいろな模様をそえて龍の字となった。」と解説されておりますが、この二つの字が同じものということに関して、説得力のある説明をネットの中で発見いたしました。

それは、まず「龍」という字を左右に分解し、右側の「タツノオトシゴ」みたいな形の字をひらがなの「し」という字に略し、これを左側の「立+月」の「月」の部分に重ねてみる。どうでしょう、「竜」という字になりますよね。

さて、「龍」のつく字は「瀧」、「朧」、「聾」、「壟」などがありますが、だいたい「龍」の文字は「龍」そのものを指すようなんですが、前述の「襲」っていう字。この字は訓読みすると「おそう」となりますが、「世襲」などのように「後をつぐ」という意味と、「不意に攻める」という意味があります。
まさに襲名
しかし、元々は「衣服をかさねて着る」という意味で「龍」とは全く関係ないようです。どうやら「襲」っていう字は、上の部分が単純な「龍」ではなく、龍という字を横に二つ重ねた「(トウ)」という字なんだそうです。つまり「衣」を重ねるで「襲」となります。

重ねる、という意味の文字になぜ「龍」の字を含む文字を使ったのか?家が隆々(龍龍)と栄えることを祈願したのでしょうか。もう一つ「龍」が増えて、三りゅう商店にならんように頑張りたいもんです。

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