金族命名法

テーマ:よもやま話
今日は、北朝鮮の金正日総書記の後継者に決まったと目される三男の金正雲氏の誕生日なんだそうです。金正日の父親は金日成で、金正日の息子は上から、正男、正哲、正雲ですね。

さて、以前読んだ「人名の世界地図」という本に、朝鮮民族の男子の命名法として「行列字(トルリムチャ)」がある、というようなことが書いてありました。 

「行列字」とは、血族に受け継がれてきた序列を意味する文字で、同じ一族で同じ世代の者には必ず同じ行列字をつけるのだそうです。陰陽五行説に基づく「木・火・土・金・水」「甲・乙・丙・丁・戊・己・・・」等の字を含む漢字を決め、世代ごとに名前の上下に交互にその行列字をつけるというわけです。

例えば、金ファミリーの例でいきますと、金日成の祖父が「金輔」で「」が五行説の「金系」の行列字。その長男(金日成の父)が「金稷」で「」が五行説の「水系」の行列字で、その兄弟は「金権」「金禄」といずれも名前の一文字目に「亨」の文字がつけられております。

さて「金稷」の長男が「金日成」なんですが、彼の本名は「金聖」でありまして、名前の二文字目の「」が五行説の「木系」の行列字で、二人の弟は「金哲」「金英」といずれも「柱」がついております。

このパターンで行きますと、「金日成(金聖柱)」の息子は名前の一文字目に五行説の「火系」の文字がついてないとおかしいのですが、「金正日」の「正」はこれに当りません。一見「金日成」の「日」と「金正日」の「日」が行列字のように見えますが、これはルールに則っておりません。

冒頭に書きました「金正日」の三人の息子に至っては、すべて父親と同じく名前の一文字目に父と同じ「正」の字がつけられております。調べますと、北朝鮮では1965年の労働党全員会議で議決された「宗派および封建残滓の打破」により上記慣習は残っていないそうで、親から一文字受け継ぐのが今現在北朝鮮国内におけるポピュラーな命名法だとのことです。

昨年の9月頃から、「正雲」は「ジョンウン」と漢字表記を使わない表示で報道されるようになりました。カタカナ表記は同じでも「雲」とは異なる字で「銀」か「恩」の可能性が出てきたからだとか。金正日も元々は「正一」だったという説もありますが、長男の「正男」にしても、日本人にありがちな名前というのは多分嫌われるんでしょうね。

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