残り物に福?

テーマ:油甚本店
大阪に食用油研究の第一人者と目されるHさんという方がいらっしゃいます。かつて某製油メーカーにご勤務だったのですが、退職後も引続きさまざまな油についての研究や搾油の実践に取り組んでいらっしゃいます。

以前お見えになった時に、当店のかつての搾油場を見ていただいたのですが、その時に現在は使用していないモーター式の搾油機に目を留められたようで、今週の月曜日に友人を伴い、この機械の再利用が可能かを確認に来られました。

さて昨年の4/22のブログでご紹介したように、当店の看板は油搾木(あぶらしめぎ)という搾油装置の貫(ぬき)と呼ばれる部位を使用しております。この装置は上述の機械よりもさらに古いもので、いわゆる手作業の搾油器です。

この看板以外にも貫は数本残っており、さらに倉庫の床材として使っている木切れが「突き棒」という部位だったということが、今回Hさんから指摘を受け初めてわかりました。いずれにせよ、油搾りの道具はもうあまり現存していないようなので、くれぐれも大事にしてくれと頼まれました。

昨日、Hさんからこの油搾木を使った作業現場の写真のコピーが送って参りました。千葉の今井製油さんに残っていた明治時代の貴重な写真です。絵で見るだけでは実感がわかなかったのですが、こうして写真で見ると「油を搾る」という作業が大変であったことがよく伝わってまいります。


私どもは、もう搾油はいたしておりませんが、道具の保存という面で、この世界で何某かの貢献ができていることを誇りに思い、これからも大切にして参りたいと思います。

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