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たかが茄子されど茄子

テーマ:よもやま話
今日から7月夏本番。夏の野菜といえば茄子。前にも書きましたが、子供の頃父が畑で茄子を作っておりまして、「これは畑のうなぎや」と言われて、その気になり好物になった記憶があります。

さてこの茄子、私自身今は「ナス」と呼んでおりますが、昔は「ナスビ」と言っていたように思いますし、最近でもそう呼ぶ人はたくさんいらっしゃると思います。あるいは使い分けておられるとか。

「マーボナス」とは言っても「マーボナスビ」とは言わんし、材料の段階では「ナスビ」でも、料理名になると「ナス」になるとか?いずれにせよ、「ナスビ」の「ビ」って一体何なんでしょうね?

と思って調べてみたら、もともとは「奈須比」つまり「ナスビ」だったようで、夏に実がなるので「なつみ」→「なつび」→「なすび」と音変化したらしい。

平安時代に伝わったようですが、室町時代に入り女房言葉で「ナス」と呼ばれるようなったとか。女房言葉は語尾に「もじ」をつけたり加えるのが専門かと思いきや、省略する場合もあるんですね。

初夢に見ると縁起がいいものとして「「一富士二鷹三茄子」と云いますが、富士山や鷹はともかく茄子ってしょぼい感ありますよね。これは「事を成す」から来てるそうでして、形が男根に似ているので子宝や幸運の象徴とも。もっとも茄子にも卵型のものもあり、英語のegg plantはまさに「卵型の植物」という意味ですもんね。

こうやって茄子のことを書いているうちに、子供の頃に母から「親の言葉と茄子の花は千に一つも無駄はない」としょっちゅう言われたことを思い出しました。茄子の花は咲くと必ず実をつけることからこういう風にいうそうですね。

それにしても、当時は内心「お母ちゃんの言葉は無駄ばっかりやんかい」と思っておりましたが、週末の食卓ネタを考えるとあながち間違いでもないなと感じる昨今であります。

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