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二日酔考

テーマ:言葉・漢字
一昨日、アートインナガハマの総会がありまして、終了後オープンしたばかりの黒壁のレストラン「六」にて懇親会。それほど飲み過ぎたとは思わなかったのですが、翌朝は久々の二日酔い。

原因を考えてみたのですが、どう考えても赤ワイン。嫌いではないのですが昔からワインを飲むと翌日に残る傾向があります。ワインは醸造酒で特に赤ワインは不純物が多いため二日酔いしやすいそうな。私だけではないのかな?

二日酔いは宿酔とも言いますが、これもてっきり「ふつかよい」と読むのかと思いきや、正しくは「しゅくすい」と音読みするらしいですね。「今日は、軽くしゅくすい気味でして」なんて、ちょっと格好いいですね。実際全然格好いいもんじゃないけど。

「酔が宿る」つまり長引くってことなんでしょうけど、英語ではhangover(ハングオーヴァー)といいますね。コブログ内検索してみたら、くまさんが使ってましたわ。さすがインテリジェント呑平(笑)

hangは「ぶら下がる」で、overは「(決着せずに)続いている」だから、「嫌な状態が翌朝まで続いている」状態を表すのだとか。

あれこれ調べてみるうちに面白い表現に出くわしました。「the hair of the dog」、直訳すると「犬の毛」ですが、これどういう意味だと思いますか?

正確には「the hair of the dog that bit you」、つまり「あなたを噛んだ犬の毛」なんですが、これ何と「迎え酒」という意味だそうです。

昔の人は「病気をもたらしたものが最良の薬になる」と信じていたようで、犬に噛まれた場合はその噛んだ犬の毛で傷を縛ったり、犬の毛を焼いたものを傷につけると傷が治ると考えていたみたいですがな。

言ってみれば「毒をもって毒を制する」ってことで、酒の飲み過ぎが原因の二日酔いには迎え酒が効くと。しかし、二日酔いの時にホンマに犬のにおい嗅いだら、ぶちまけてしまいそうです、私。

縦と横

テーマ:言葉・漢字
先日、ネプリーグの再放送を見てましたら、漢字の書き取り問題で「操縦」というのが出てまいりまして、後で東進の林先生がこの言葉を次のように解説しておられました。

つまり、「操縦」の「縦」を「たて」と読んでしまうと意味がつかみづらくなりますが、「縦」という字は実は「ほしいまま」という読みもあり、これだと「ほしいままに操る」となり意味が通りますね、と。

なるほどぉ、「ほしいまま」と読むんか、これ。では「縦」という漢字の字義はどうなってるんやろ、と大漢和字典で調べてみますと、元々はという字らしい。

で、「从」は、Aの人の後にBの人が従うさまを示す会意文字。それに「止(足)」と「彳」印を加えたのが「從(従)」の字。「縱」は「糸+從」で、糸が次々と連なって細長くのびること。たてに長く縦隊をつくるから「たて」の意となり、縦隊はどこまでものびるので、のびほうだい(ほしいまま)の意となる、と。

ほぉ~、そんなら「横」はどうなんでしょうね?「木+黄」ですからね、黄色い木か?バナナかよ?と思いましたら、「黄」は、先端に動物の頭の脂肪(廿印)のついた火を描いた象形文字で、四方八方に発散する火矢の光を示すそうな。「黄」は火花の色から来てるんですね。

で、「横」は「木+黄」で、中心線からはみ出て広がるよこ木。かってに広がる意を含む。とあります。なるほど、そこから「横着」「横暴」「横柄」という言葉が出てくるわけですね。

漢字というのは、まさに縦横無尽でございますな。

他所事でもないTPP

テーマ:油甚本店
日米のTPPの交渉が大詰めなのか行き詰まりなのか、とにかく正念場を迎えているようであります。コメ農家や畜産業界の保護は食料自給率の問題とも絡まって悩ましいところはありますが、自分の商売とは直接は関係ないかなぁ~などと思っていたのですが....。

5/6の日経新聞の片隅にJ-オイルミルズの社長さんの言葉が載っていました。「TPPで牛肉の関税が引き下げられて日本の畜産業が縮小すれば、製油業界にも打撃。食用油の関税を引き下げられるより問題だ」と。

ほぉ~、どういうことなのかしら?と続きを読みますと、大豆や菜種から油をとった搾り粕のミールは配合飼料の原料となっているわけですな。油粕ってのはもっぱら肥料にしてるのかと思ったら、家畜の餌となってるんですね。

で、現在はこれを国内の畜産農家に販売しているわけですが、TPPで畜産業が縮小すれば、油粕の売り先が失くなる上に処分コストが掛かるようになり製油コストが上昇する。というわけですね。

経済学をかじった者はリカードの比較優位論を頭に浮かべて、まあお互い得意分野で頑張った方がいいんじゃない、なんて思いがちなんですが、なかなかそう単純なものでもないようで、意外なところで自分の身に火の粉が降り掛かってくるかもしれません。

「アベノミクスで超大国日本が復活する」という本の中で三橋貴明氏が、次のように書いていました。

TPP関連諸国のGDPの8割は日米で占められるので、TPPは実質日米間の自由貿易であると。そして「リカードの比較優位」は完全雇用が前提。現状はそうなっておらず米国の失業率は日本よりも高いわけだから、結局日本の雇用が奪われるだけだと。

一方、佐藤優氏は「人間の叡智」の中で、「覇権国が自由貿易を唱えるのは力の強いものにとってはそれが一番有利だから」とし、その上でTPPは日米が連携して中国との間に壁を作る枠組みであり、TPP内で日本人雇用を生み出すべしと。

どっちに転がっても、アメリカにとってはTPPで損をするすることはなさそうですな。どうする日本?どうするあなた?

お愛想

テーマ:よもやま話
レストランに食事に、あるいは飲みに行った時、お金を払おうという段になった時、店の人に何と声を掛けますか?

ま、低料金の場合や勘定書がテーブルに置かれている場合は、何も言わずに直接レジに向かったりしますが、その場で払う場合やある程度まとまった金額になる時は、「お愛想お願いします」なんて言いますよね。

単に「お会計を」とか「お勘定を」と言ってもいいわけですが、何となく「お愛想」の方が直接的でなくて、格好良いような気もします。でも、何で「お愛想」をお願いするんでしょうか。別に愛想が悪かったわけでもないでしょうし、勘定をオマケしてくれという意味なのか?

「ことば・しぐさ・心もち」(戸板康二/TBSブリタニカ)という本を読んでいてわかったのですが、実はこの言葉「愛想づかし」という意味から来ているそうです。

つまり、長く来て、いつもツケにしてもらっていた客が、ある日突然全額払って帰るというのを、もう来なくなるのだと考えての言葉なんだとか。

だから、これを言われるのは嫌だという女将さんもいるとか。いや、この本が書かれたのも20年以上前だから、そんなことを知っている女将さんの方がもう少なくなっているかもしれませんね。

しかしコブログも最近通信不能が常態化してまいりまして、「お愛想お願いします」のブロガーさんが増えてきましたね。いや、こりゃむしろ運営者側からの愛想づかしか?

「クサイ僕」さん現る

テーマ:よもやま話
知立から昼過ぎに戻った3日の夕方、胡麻油の瓶詰めをしていたら中年の男性がご来店。「いらっしゃいませ~」と言いますと、「あのぉ~、私逆から読むと『クサイ僕」の〇ぼ〇さ〇です」と。

え゛~っ!マジですかぁ。って笑い事ではないんです。実は私の長姉が大学生の頃、つまりもう40年近く前のことになるんですが、「うちの大学になあ、反対から読むと『クサイ僕』ってなる子が居はるねん」と言ったことがあり、あまりに強烈な印象だったため忘れられなかったんです。

その実物の「クサイ僕」さんがまさか目の前に現れるとは。何でも、奥さんが当人の名前でネット検索したところ、私のブログが出てきたようで、それを書いていたのが大学時代の知人の弟だったと。

え、そんなことブログに書いたっけ?いや書いた気がせんでもないなぁ。と調べてみますと、直接記事にはしてなかったものの、コメント返しの中で実名まであげて書いてますやん。あぁ、怖い、怖い、本文だけでなくコメントも検索対象になるのね。

しかし、クサイ僕さん、いや久〇さんは怒ることもなく、実に気さくで温厚な紳士。奈良県で造り酒屋を経営なさっている由。お詫びの印に宣伝させてもらお。百楽門というお酒をつくっておられるそうです。ゆうこりんさん、知ってるか?
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