他所事でもないTPP

テーマ:油甚本店
日米のTPPの交渉が大詰めなのか行き詰まりなのか、とにかく正念場を迎えているようであります。コメ農家や畜産業界の保護は食料自給率の問題とも絡まって悩ましいところはありますが、自分の商売とは直接は関係ないかなぁ~などと思っていたのですが....。

5/6の日経新聞の片隅にJ-オイルミルズの社長さんの言葉が載っていました。「TPPで牛肉の関税が引き下げられて日本の畜産業が縮小すれば、製油業界にも打撃。食用油の関税を引き下げられるより問題だ」と。

ほぉ~、どういうことなのかしら?と続きを読みますと、大豆や菜種から油をとった搾り粕のミールは配合飼料の原料となっているわけですな。油粕ってのはもっぱら肥料にしてるのかと思ったら、家畜の餌となってるんですね。

で、現在はこれを国内の畜産農家に販売しているわけですが、TPPで畜産業が縮小すれば、油粕の売り先が失くなる上に処分コストが掛かるようになり製油コストが上昇する。というわけですね。

経済学をかじった者はリカードの比較優位論を頭に浮かべて、まあお互い得意分野で頑張った方がいいんじゃない、なんて思いがちなんですが、なかなかそう単純なものでもないようで、意外なところで自分の身に火の粉が降り掛かってくるかもしれません。

「アベノミクスで超大国日本が復活する」という本の中で三橋貴明氏が、次のように書いていました。

TPP関連諸国のGDPの8割は日米で占められるので、TPPは実質日米間の自由貿易であると。そして「リカードの比較優位」は完全雇用が前提。現状はそうなっておらず米国の失業率は日本よりも高いわけだから、結局日本の雇用が奪われるだけだと。

一方、佐藤優氏は「人間の叡智」の中で、「覇権国が自由貿易を唱えるのは力の強いものにとってはそれが一番有利だから」とし、その上でTPPは日米が連携して中国との間に壁を作る枠組みであり、TPP内で日本人雇用を生み出すべしと。

どっちに転がっても、アメリカにとってはTPPで損をするすることはなさそうですな。どうする日本?どうするあなた?

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