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商いは牛のよだれ

テーマ:油甚本店
リーマン・ブラザースを始めとする米投資機関の破綻に関して、さまざまな論評がなされておりますが、知識のない我々一般庶民は漠然とマネーゲームにうつつを抜かしていたものに天罰が下ったのだと溜飲を下げる思いであります。

ところで日経新聞の「経済教室」欄に慶応大学池尾教授が「裁定型業務の限界超えよ」と評して今回の事態を論評しておられました。要点を申し上げますと

・金融活動には、その利益の源泉をどこに求めるかによって、大きく二つのタイプが存在する。それは
(1)裁定型金融: 市場に存在する歪み(割高、割安)に目をつけ、「安く買って高く売る」ことで利益をあげる
(2)価値創造支援金融: 企業や産業による価値創造を支援し、結果付加された価値に利益の源泉を求める

・(1)は一般的にマネーゲームと称されるもので、ここ四半世紀の間に大成功をおさめてきたが、こうした裁定が成功すれば市場の歪みは解消され、収益機会は乏しくなっていった。

・しかし過去の成功の結果、それと同等以上の成果を求められたため、裁定型金融のかなりの部分が、詐欺的行為など他者から価値を奪う事によって利益をあげるようなものに堕してしまった。

・そもそも金融機関の存在意義は、(2)の価値創造支援であったわけであり、今一度基本に立ち返るべきである。


用語がやや小難しいですが、「最初は儲かっていることでも、そのうち皆がまねすると儲からなくなる。儲けを無理に保とうと思うと、人をだましたり詐欺行為に走らざるを得なくなり、やがて破綻する」ということは、どの世界でも共通でありましょう。

「商いは牛のよだれ」、私の祖父の口癖だったようですが、今一度この言葉をかみしめたいと思います。
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