弊衣破帽とアイビー

テーマ:よもやま話
知る人ぞ知る。私の父は常にグレーの作業服を着ておりました(考えてみれば金正日もそうなのだがあんなにいい生地のものではない)。当時は着るものに興味もなく特に何も思わなかったのですが、父を知る人たちは今、まずそのことを代名詞のように語り「こうとな」人だったと表現いたします。

さすがに父からの作業服という伝統は受け継ぎはしませんでしたが、わたしの場合はボタンダウンシャツにチノパン(最近はほとんどユニクロ)。格好良く申せばいわゆるアイビーというのでしょうか。そして破れるまで毎年同じものを着ております。(昔買ったニューヨーカーのピーコートやJ.プレスのジャケットは25年来着用している)

さてアイビーとは、「先生方よくご存知のように(麻生太郎口調)」米国東海岸名門私立8大学(ブラウン、コロンビア、コーネル、ダートマス、ハーバード、プリンストン、ペンシルバニア、エール)からなる「アイビー・リーグ」の学生の間で広まったファッションが由来であります。

元VAN社長で日本にアイビーファッションを持ち込んだ石津謙介氏という方がいらっしゃいました。「TPOに合わせた服装を」といった場合の「T(Time)P(Place)O(Occasion)」も彼の造語であります。3年前になくなられましたが、「ファッションは流行ではなくてライフスタイルである」と氏は言います。彼が書いた「悠貧ダンディズム」という本の中に「弊衣破帽(へいいはぼう)」という言葉を発見しました。

とても印象に残る四文字熟語を、彼は「粗末な衣服でも中身は素晴らしいこと。表を飾るのは中身のない証拠」と定義しておりました。そして「去年の服を着ること」を流行らすことが本当のファッションなんだと、何とも有難い言葉が続きます。

日本におけるアイビーの父はさらにこう言います。
「アイビーとは、決して流行を追うものではなく、祖父や父から受け継いだ伝統を守ること。そして大事なことは、これは服装のことだけではなく生き方のことなのだ」と...。


(追記)
でも、そんな格好いいこと言ってたから、新しい服が売れずにVANはつぶれっちゃたんでしょうか?資本主義もなかなか難しいですね。

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