プリペイドの罠

テーマ:石油
今年3月にガソリン税の暫定税率の期限切れを前に、先行して1リットル当たり15円の値下げを断行して脚光を浴び、社長が「顧客が2倍になった」と豪語していた、青森県のスタンド業者のことを覚えていらっしゃらないでしょうか?メディアが「庶民の味方」だとばかり、こぞって取り上げておりました。

青森県の最大手業者であった、この柿本石油がついこの間営業停止の事態に陥りました。原油高に伴いガソリン価格も急騰し、需要が減る中無理な廉価販売を続けたため、資金繰りがつかなくなったというのが原因のようです。

さて最近プリペイドカードが流行であります。このあたりでも通常の現金価格の看板以上に大きな「プリペイド価格」の看板を揚げるスタンドがほとんどです。現金価格の2~3円安が通常です。私どもにも「プリペイド使えませんか?」という問い合わせが時々ありますが、対応する機械を導入する余裕がございません。

1円でも安く買いたいというお客様の立場からすると魅力的なカードですし、一方売り手からしますと、品物を提供する前にキャッシュが手元に入るため資金繰りが楽になるというメリットがあります。いちいち現金を扱わなくてもよい、クレジットカードの様に余計な手数料がかからない、貸倒れの心配などはもちろんなく、資金管理さえきちんとやれば、売り手としてもありがたいカードです。

しかし、やはり架空の手元余裕資金というのは、どうしても儲かっているという錯覚を起こさせるもので、ついつい経営に無理が生じてしまうのも事実です。お客さまから預かっているだけのお金を自分のもののように感じて使ってしまうんですね。これはポイントカード事業などでも陥りやすい罠です。

先の柿本石油はガソリンのプリペイドカードはもちろんのこと、灯油の前払い券も大量に発行していたようです。プリペイドは一定価格返金の可能性があるようですが、灯油の前払い券については無効になるようで、途方にくれた購入者の姿が報じられておりました。

ワイドショーなどでは、この(無責任な安売り)業者がつぶれたのは銀行の貸し渋りのせいだとか、何とか全額払い戻してあげてほしい、とか勝手なことを言っておりましたが、やはり安いものにはそれなりのリスクが伴うことを消費者が自覚すべきだと、私は思います。


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