油屋の圧力

テーマ:曳山・歌舞伎
以前に「油壺から出たような男」というタイトルで書いたことがあるんですけど、それがどんな男だったか覚えていらっしゃるでしょうか?

ま、それはともかく、その時にも書いたように「女殺油地獄」という芝居がありまして、「金の工面に困った男が、顔見知りの近所の商家に押し入り、その家の奥さんを惨殺して金を奪って逃げる」という凄惨な内容なんです。

この話、1792年に人形浄瑠璃(文楽)で初演。人気の近松作品ということで歌舞伎でも上演されたが、当時の評判は芳しくなく、上演が途絶えていたそうです。

で、ようやく1909年(明治42年)に歌舞伎で再演され大絶賛を浴びたものの、文楽での復活はそれから更に月日を経た1947年(昭和27年)だったそうです。

初演から100年以上経って再演、文楽に至っては150年後。何でこんなに長い間演じられなかったのでしょう。本当に人気が無かったんでしょうか?ま、確かに凄惨な内容ですから誰もすすんで見たいとは思わなかったのかもしれません。

ところが、先日「あやつられ文楽鑑賞」(三浦しをん/双葉文庫)という本を読んでいたら、どうも上演されなかった理由は人気が無かったからではなく、上演ストップの圧力がかかったからだという説があるそうな。

ある人が言うには「油ってのはものすごい利権があるんだってね。江戸時代にはお米の次に油で、油カス売ってももうかった。それでどうも竹本座に対して『油地獄は石油連盟(?)のイメージを損なう。こういうの(油屋で陰惨な殺人事件が起きる芝居)をやられては困る。切符買いませんよ』と圧力をかけた」

はぁ~、なるほど。今でもマスコミなんか広告の有力スポンサーには弱いもんね。江戸時代の油屋といえば今と違って電力会社みたいなもんですもんね。これはあり得るかもしれん。「油壺から出たような男」の意味も、もしかして圧力かけて変えさせたんかな?

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