惚気る

テーマ:言葉・漢字
昨日のブログの最後の一行は私の「のろけ」でしょ、というコメントを頂いたんですが、「のろけ話」を聞いた後には「ごちそうさま」と言うのがお決まりになっていますよね。

これは、本人以外が聞いても全くつまらないおのろけ話を長々と聞かされても迷惑だという気持ちを、「もうたくさんだ」「お腹いっぱいだよぉ」という意味の「ごちそうさん」に託しているわけですよね。

さて、「のろける」を漢字変換すると「惚気る」と出てまいりやす。ほぉ~、こんな字を書くんでやんすね。この「惚」という字は「惚れる」と書くと「ほれる」と読み、「惚ける」と書くと「ぼける」もしくは「ほうける」とも読むようです。

「のろける」の「のろ」は「鈍間(のろま)」の「のろ」と同じ語幹で「のろけ(惚気)」は「動きがのろくなった精神」を意味するようです。つまり、恋愛に夢中になって周囲のしらっとした空気が読めないほど頭の回転が鈍っている状態を言うそうな。

惚の字の含まれた「恍惚(こうこつ)」という語がありますが、これは元々は「うっとりする。気をとられてぼんやりする」という意味だったのが、有吉佐和子の小説「恍惚の人」が出た時に老人性痴呆を指す用語として大流行したのを覚えています。あれは、まだ中学生くらいだったか?

まあ、痴呆も恋も原理は「惚」で一緒なのか。お腹がふくれても頭はぼんやりしますな。どっちにせよ「ごちそうさま」か。

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