そでなかろうぜ

テーマ:曳山・歌舞伎
先日、中村勘三郎さんの追悼ブログを書きましたら、桜ひめさんから彼が出演した「籠釣瓶花街酔」という芝居を歌舞伎座さよなら公演のシネマ歌舞伎で観た、というコメントを頂戴いたしました。

その芝居の中で、佐野次郎左衛門という男が馴染みの花魁八ツ橋に愛想尽かしをされた時に吐く有名なセリフがありまして、それを知ったかぶって私がコメント返しに書いたわけです。

ちなみに「花魁、そりゃ、ちと、そうではなかろぜ」と書いたんですが、そしたら桜ひめさんから、「そりゃ、あんまり袖なかろぜ」じゃなかったかと、再コメントが。

そう言えば、「そうでなかろ」じゃなくて「そでなかろ」だったわ、と気づいたのですが、「袖なかろ」じゃノースリーブになってしまうんじゃないの?いや「袖なし」に特別な意味があるのだろうか、と思い調べてみました。

すると、「そでない」という言葉が出て参りまして、「然で無い」という字を書くことがわかりました。これ、2つ意味がありまして、一つは「そうではない、違う」という意味。もう一つの意味が「いけない、悪い、そっけない」。

フラれた花魁に対して「それは、ちょっと違うんじゃないの」あるいは「それはあまりにもそっけないじゃないか」と言いたかったんでしょう、次郎左衛門は。

桜ひめさんが、「袖なし」と思われたのもある意味当然。ちなみに「そで」で始まる言葉を辞書で引いて、「袖」がつかないものは、この「然で無い」のみ。後はすべて見事なまでに「袖」がつきます。しかも「袖にする」という言い方があって、まさに「親しくしていた人をないがしろにする」という意味ですもんね。

昨晩の中村勘三郎さん追悼番組。ラストは勘九郎としての最後の公演後にファンに囲まれながら階段を上って行き、「じゃまた3月に」と言ってドアの向こうに消えていくシーンでした。本当に天に召されていくような気分になりました。

「勘三郎さん、そりゃちと、そでなかろうぜ」

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