一見じゃわからんやろ
テーマ:曳山・歌舞伎
2012/07/22 08:53
大阪市からの補助金カット問題で揺れる文楽の世界。橋下市長と是非会って話をしたいと言っておられた重鎮の住大夫さん、心労からか脳梗塞で入院されてしまったそうです。
朝日新聞の夕刊に落語家の米朝さんが「口まかせ」というコラムを書いておられるのですが、文楽のかかる情勢を心配しておられました。人形遣いの桐竹勘十郎さんと会って話されたそうです。
勘十郎さん曰く、「私たちが補助金に頼って、ぬくぬくと生活しているわけやないんです。『上方芸能』の木津川計先生も言うてはりましたが、『儲かる文化』と『儲からへん文化』があって、文楽は儲からへん方の芸能なんです。儲かる文化やったら、昔から儲けてました」と。橋下さん、もっと営業努力せぇ言うてましたからね。
その橋下さん、一度大阪の国立文楽劇場に文楽を観に行き、「文楽にはもう行かない」と言ったそうです。よっぽど退屈やったんでしょうか、コスプレと違って。演目は「勧進帳」だったらしいですけど、その時弁慶を操っていた勘十郎さん、「大変な責任を感じています」と。
米朝さん、「文楽の苦しさは今に始まったことではなく、50年ほど前には道頓堀で興行していた松竹が手放した芸能なんだ」と。実際、松竹が今も引き続き興行している歌舞伎の方は女性ファンを惹き付けて成功してますもんね。もっとも私の印象では近頃の歌舞伎は少し観客に迎合し過ぎの感があると思いますけど。
文楽で一番わかり易いのは人形。人形には魅力があるのだけれど、どうも若い人には殊に「大夫の語る浄瑠璃の文句の意味がわからん」ということで敬遠されているようです。ほうか、やっぱり大夫かよぉ。
そこで米朝さん、「でもね、あれはもともと全部、わかろうとするようなもんでないんやで。でも、聴いているうちになんとなしにわかってくる。文楽というものは、ほんまに緻密で繊細な芸なんです。そのことは一度見ただけでは、わからんやろなあ」。何べんも通って血の通った補助金つけたって下さい。お願いします。
朝日新聞の夕刊に落語家の米朝さんが「口まかせ」というコラムを書いておられるのですが、文楽のかかる情勢を心配しておられました。人形遣いの桐竹勘十郎さんと会って話されたそうです。
勘十郎さん曰く、「私たちが補助金に頼って、ぬくぬくと生活しているわけやないんです。『上方芸能』の木津川計先生も言うてはりましたが、『儲かる文化』と『儲からへん文化』があって、文楽は儲からへん方の芸能なんです。儲かる文化やったら、昔から儲けてました」と。橋下さん、もっと営業努力せぇ言うてましたからね。
その橋下さん、一度大阪の国立文楽劇場に文楽を観に行き、「文楽にはもう行かない」と言ったそうです。よっぽど退屈やったんでしょうか、コスプレと違って。演目は「勧進帳」だったらしいですけど、その時弁慶を操っていた勘十郎さん、「大変な責任を感じています」と。
米朝さん、「文楽の苦しさは今に始まったことではなく、50年ほど前には道頓堀で興行していた松竹が手放した芸能なんだ」と。実際、松竹が今も引き続き興行している歌舞伎の方は女性ファンを惹き付けて成功してますもんね。もっとも私の印象では近頃の歌舞伎は少し観客に迎合し過ぎの感があると思いますけど。
文楽で一番わかり易いのは人形。人形には魅力があるのだけれど、どうも若い人には殊に「大夫の語る浄瑠璃の文句の意味がわからん」ということで敬遠されているようです。ほうか、やっぱり大夫かよぉ。
そこで米朝さん、「でもね、あれはもともと全部、わかろうとするようなもんでないんやで。でも、聴いているうちになんとなしにわかってくる。文楽というものは、ほんまに緻密で繊細な芸なんです。そのことは一度見ただけでは、わからんやろなあ」。何べんも通って血の通った補助金つけたって下さい。お願いします。