長生きの秘訣

テーマ:よもやま話
彦根に保険のお客さんが一人いらっしゃいます。私がこちらに帰ってくる前からのお客様ですから、たいそう長いおつきあいです。

なんですが、このお客さん、ちょっと一風変わっておられます。年の頃80代半ばの男性。極めて商売熱心のおっちゃん。満期日が新年早々なので、何としても年内に契約更改をしてもらおうと電話をいたします。

「あの~、正月が満期日ですんで、近々寄せてもらいたいのですが」と、21日頃に電話しますと、「あぁ、土曜か日曜にして」。「えっ?でも週末は雪が降るらしいですし、できたらそれまでに」「けど、土・日しか時間ないねん。これ以上話すことはありません」。

日曜日は都合が悪いので、「土曜日は何時でもよろしいんでしょうか?」と尋ねますと「来る前に電話して」。そして、土曜日の10時頃、「これから寄せていただきたいんですけど」と言うと、「う~ん、昼過ぎにして。1時にしょう」「ほれからな、毎年手帳くれやあるけど、できたらタオルがええなあ」。「すんまへん、タオルはないんです」

1時かぁ~。中途半端やなぁ。飯はいつ食うねん?ってことで、しょうがないから早目に行って「藤平」で昼飯のラーメンを食って、その後敵地乗り込み。

すると、本人ちゃう、奥さん出てきゃはったぁ。あれ、奥さんで事が済むんなら何時でも良かったんちゃうんか。申込書に判子もろて、保険料預かって領収書切ります。そうこうしてるうちに社長登場。「1年早いな」「ほうですな」。そして「景気悪いなぁ」「◯◯さんは元気か?」「だいぶ前に亡くなりました」と毎年全く同じ会話。

「あんた、白髪出てきたな」「いや、前からですよ」「ほうか、若いのに大変やな」「若くないですよ」「ほうか、いくつや?」「51です」「へぇ~っ、そうかぁ~、早いなあ、時の経つのは」。

その後社長が退席されると、奥さんがぐちをこぼし始める。「もう、あの人勝手なことばかり言わはるの。従業員やら嫁にうなり倒して、私が間に入ってもう大変なの」。まあ、仲のいいご夫婦なんですけどね。でも奥さん確かに大変そう。

ふと棚の上を見ると、戦争中の社長の写真が。めっちゃハンサム。「すごい男前ですねぇ」「そんなん若い時やし。こんな帽子かぶったら誰でも格好ようなるわ」「いや、そんなことは。ほんとハンサムですよ」「皆にそない言われていい気になって飾ってるんよ」

「あの人死んだらな。これ葬式写真にしたろと思て」。「ハハハハハ、それはよろしいわ。けどまだまだ死なありませんわ」。「ほやろか」。「ああいうタイプの方は長生きされますわ」。「そやな、周りのこと気にせずに完全マイペースやもんな」。来年も何事もなく、また契約更改に寄せてもらえますことをお祈りいたします。

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