その銚子

テーマ:よもやま話
忘年会の季節となって参りました。やはり冬は日本酒。「お銚子あと3本持ってきて!」とか頼みますよね。ところが、運ばれてくるのは「徳利」。徳利と銚子は同じものなのか?

日経プラス1のコラム「その違いわかりますか」で取り上げられていた「銚子と徳利」。銚子というのは元々、下の写真のように鍋形の容器に長い柄や提手が付いていたものなんですね。そうそう、お屠蘇を注ぐ容器、あれこそ「銚子」。

歌舞伎、太功記十段目で光秀の息子十次郎が出陣を前に許嫁の初菊と祝言をあげる場面があるのですが、そう言えば「♪長柄の銚子、蝶花形~」なんていう浄瑠璃が出てきます。

上記コラムによれば銚子は、鎌倉時代から江戸時代にかけて、長い柄が短くなって急須形になり、素材も鉄から磁器に変化。江戸後期には湯の中に入れて燗をつけ、そのまま出せる徳利が宴席の主流になり、お銚子1本といえば、燗徳利が運ばれて来るようになったのだそうです。

そのうち、銚子と徳利が混同されて使われるようになったんですね。でも、私のイメージで行くと、1合徳利を「お銚子」、2合以上の大きなものを「徳利」と呼んでいるような気がします。

さあ、調子が出てきたところで(いや別に出てないけど)、銚子といえば、千葉県に銚子市というところがありますね。利根川河口の町で犬吠埼があるところでしたっけ。醤油と漁業の町ですね。

あの銚子、その銚子、いい銚子、いや、あの「銚子」は地名を指すものではなく、利根川の河口を指すもので「銚子口」と呼ばれていたんだそうです。そうよ、そうなんよ、入口が狭く中に入ると広い空間が拡がる地形が、酒器の「銚子」によく似ているから、この名がつけられたのだとか。

そう言えば、昔読んだ「業界用語辞典」という本に書いてありましたわ、「利根川にする」という隠語が。意味は、「この銚子で終わりにする」だそうで。忘年会続きの皆様、健康のため早目に利根川にしてね。

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