絆し

テーマ:言葉・漢字
大方の予想通り、今年の漢字には「絆」が選ばれましたね。およそ8人に1人がこの字に投票したそうです。糸偏に半と書くこの漢字。元は一体どういう意味だったのか?

漢和大辞典によりますと、「半」は音符とありますから特に字の意味とは関係なく、「ひもをぐるぐる巻いてからめること」が字義のようです。「馬の足にからめてしばるひも」、また「人を束縛する義理・人情などのたとえ」とあります。

近年では、「人と人との心のつながりや結びつき」というように好意的に使われることが多いですが、元々は「縛って自由に行動できなくする」という意味合いが強い言葉だったんですね。

あまりに自由な世の中になり、人の結びつきが弱くなってくるとこうした言葉がかえって見直されるのか。小学校の時の文集で「もし自由だったら?」という問いに「束縛されたい」と書いたやつが居て印象的だったことをふと思い出しました。

大辞林の定義では「絆」は「家族・友人などの結びつきを、離れがたくつなぎとめているもの」とあり、その後に「ほだし」と書かれています。「ほだし」とは何ぞや?

「ほだし」とは「刑具として用いられる手かせや足かせ」。ここから転じて「人情にひかされて物事を行う妨げになるもの。自由を束縛するもの。きずな」とありまして、この言葉の意味が「絆」という漢字の本来の意味に近いようです。

「ほだし」ではぴんとこなくても、「ほだされる」と言うと「ああ、それか」となるかもしれません。漢字で書くと「絆されて」。情に絆されて「絆」に投票した方も何人かいらっしゃるかもしれませんね。

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