他山の石

テーマ:よもやま話
中国で新幹線の追突・脱線事故が発生いたしました。死傷者の方はほんとうに気の毒なのですが、個人に対する弔意やお見舞いの気持ちとは別に、「ほれ見たことかぁ~」という空気が蔓延していることも否定できません。

こういう事件が起きた時に各紙の論調を比較するのは興味があります。まあ、各紙ともに「中国が世界一にこだわるあまり、安全性を軽視」したために起きた事故だという見解では一致しているのですが、書き方や強調点に特徴があります。

昨日の朝刊、ざっと見出しを見た限り、できるだけ感情をおさえて淡々と報道をしているな、と感じたのが毎日。「落雷で制御系故障 43人死亡211人けが」とか「事故の独自報道の自粛通知 中国共産党」など。また、朝日は「背伸びせずに原因究明を」と批判の中にも中国に思いをいたす、みたいなところもあります。

でも、これではちょっともの足りませんね。産経はさすがに強烈です。「人災を落雷のせいにするな」とか「大惨事をもたらしながら技術力誇示」など、思わず「そうだ、そうだ!」と相槌を打ちたくなる言葉が並びます。

さらに日経も「日本の新幹線では絶対に起こりえない事故」だとしたうえで、日本から学んでおきながら「中国版新幹線」を特許申請しようとするやり口に批判を加えながら、「官民一体で中国から国産技術を守ろう」と訴えます。

みんなそれぞれに納得するところもあるんですが、でも各紙に共通する「日本では起こりえない」という論調には、原発事故の後だけにやはり違和感を感じてしまいました。そんな中で、読売は社説の中で次のように注意を促しています。

「日本の新幹線は開業から47年目を迎え、列車事故による乗客の死者がゼロという輝かしい記録をもっている。関係者は、今後とも気を緩めることなく、万全の態勢を維持してもらいたい」

さらに直接的で響いたのは中日のコラム。「日本では絶対に起こらない事故という声もあるが、中国の技術を見下すだけでは、チェルノブイリの原発事故から何も学ばなかった原子力行政と同じである。他国の事故でも徹底的に検証して、今後の事故防止に役立てる視点がほしい」とし、

「JR各社は、速度や快適性の向上に躍起になっている。安全こそすべての「要」であると確認する契機にしてもらいたい。」と警告しています。対岸の火事を見て囃したい気持ちはわかるけど、「他山の石」とする謙虚さも忘れたくないものですね。

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