静脈湖

テーマ:よもやま話
「静脈湖(じょうみゃくこ)」、もちろんそんな名前の湖はございませんよ。ないんですが...、

私の母は齢が齢だけに、健康相談をしたり、血圧などの常用薬をもらいに月に1回、かかりつけのお医者さんに通っております。そんなある日、帰ってくるなり「この口びるのおできが大きいなったように見えるで、日赤の皮膚科で診てもらえて言わあるんや」

いつ頃からだったでしょう?確かに年を取ってから、母の下唇には血豆のようなふくらみができてきたのですが、先生のおっしゃるように大きくなったと言われればそんな気もするし、変わらないといえば変わらないような気もするし、「まあとりあえず診てもろたら」

で、そのお医者さんに予約を取っていただいて、昨日日赤へ同行して参りました。予定時刻の少し前に着きましたが、しばらく待合室で待ち、やがて名前を呼ばれて診察室に。

入るなり、先生の顔つきが急に真剣になったので、「えっ、おいおい、まさかホンマに悪性なんかい?」と肝を冷やしたんですが、先生、おもむろに右手で母の下唇をつまんで指で触診。

そして、「これはね~、大丈夫です、心配要りません」と表情を緩めると、「これは静脈湖です」と一言。「じょうみゃくこぉですかぁ?」と怪訝そうな顔をしますと、「血管腫の一種なんですが、静脈の湖と書きます。え~っと確か、これに写真が~」とめくった皮膚疾患の症例の中には見当たらず。

その後、念のためにゼリーを塗って拡大鏡でも見てもらいましたが、「しこりもありませんし、間違いないです。まあ、形成外科で取ろうと思えば取れますが出血もするでしょうし」

すると母。「いやいや、取らんでよろしいですわ。痛いこともかゆいこともないし。それに私もう先がほんなにありませんやろ。今さら手術するのも何ですんで....」

「そうですね。その方がいいでしょうね。じゃあ、とりあえず今後のために証拠写真だけ撮っておきましょうか」と言われて、急にカメラ顔になってあごを引いて構える母。

「あ~、これですっきりした気分で26日の『綾小路きみまろショー』に行けるわ。いや、実はなぁ、手術した場合に備えてマスクも買うといたんや」。そうですか、きみまろに糞みそに言われて、大笑いしてきなはれ。

それにしても、「静脈湖」なんて風流な名前の病名ですね。悪性だったり難病とかで、何でこんな恐ろしい名前をつけるんだろうとか思うことありますけど、こういうのだと「ちょっとくちびるに湖ができましたのよ、ホホホホ」って微笑んでしまいそうですもんね。まあとにかく、笑い事で済んでよかったです。

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