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五右衛門風呂の思い出

テーマ:油甚本店
平成7年に実施した店舗改修にあわせて、住居部分の水周り、すなわち台所、風呂、トイレの改造を行ないました。実はそれまで我家の風呂は「五右衛門風呂」だったのです。厳密に言いますと「長州風呂」というのが正しいのですが、いずれにせよ構造は以下のイラストのようになっておりました。

鋳鉄製の風呂釜に水を張り、下から割木等を燃やして加熱するわけです。で、そのまま入りますと鋳鉄が熱くなっており火傷をしますので、「浮きぶた」と称する丸い板をしずめて、その上に乗る、というか「その板に乗ってそのまま下へ沈む」わけです。

お湯がぬるめのうちに入って、じわじわと温度が上がっていくのは実に気持のいいもので、ゆで釜の刑に処された石川五右衛門に由来するこの風呂の醍醐味を味わうことができます。現代はぬるめの風呂に長時間入ることが健康上奨励されておりますが、五右衛門風呂の「じわじわ過熱」の快感は何物にも替えがたいものがあります。

風呂へ入る喜びとは別に「風呂をわかす」いわゆる「風呂焚き」の楽しみもあります。まず最初に新聞紙や杉芝など燃えやすいもので火種をつくり、紙くずや木片などで火力をつけておいて太い割木を入れていきます。で、ただやみくもに燃やすだけでは煙だらけになることもしばしばで、ある程度の技術が要求されることもあり、子どもの頃「風呂焚き」はまさに「手伝いの王様」でありました。

いつぞや東京のまちづくりコンサル会社のスタッフにこの話をしていたら、岐阜県のあるところに「五右衛門風呂」を体験できる民家があり、そこで体験をしてきたとのことでした。昨日のゆうこりんさんのブログも田舎暮らし体験の話題でしたが、長浜でもこうした「昭和の生活体験館」のようなものを作ってはいかがでしょうか?


注)岐阜の体験施設の使用条件は「火事になったら家を弁償」というものであったそうです。

やんせんきょうは

テーマ:よもやま話
少し前に、振込用の電話機端末が使えなくなったというお話をいたしました。この電話機、導入当時は「田村電機製作所」いわゆる「タムラ」製のものでした。ところが、現在このタムラというメーカーは最早なく、今は「サクサ(saxa)」という名前の会社になっております。

なんでも、田村電機と大興電機が一緒になったらしく、「明日という名の花が咲く」という意味で「サクサ」なんだそうです。しかし、この社名を聞いて「咲くさ」と取る人と「さ、クサ!」と取ってしまうおっちょこちょいの2種類いると思います。私はもちろん後者です。

同様にかつて日本団体生命保険という会社がありましたが、フランスの「アクサ」に併合されてしまいました。これこそ、日本ではあってはならない社名だと私は思います。うちの母なら多分「おまんとこの会社『あ、くさ』て言うんか、いややな。」なんて言っちゃうかもしれません。

かつては外資系企業も節度があり、例えば世界最大の石油会社「エクソン」なども、社名に「クソ」が入るといういう理由で日本では「エッソ」と称しておりましたし、2008/4/26のブログに書きましたように、日本の旅行会社「近畿日本ツーリスト」は「キンキ(kinky)」というのが英語で「変態的」を意味するため、米国では「kintetsu...」と名乗っております。

さて、私が今までで一番笑った外資系の会社はやはりこれです。湖北でしかうけないと思いますが...。

「ヤンセン協和」

今は「ヤンセンファーマ」という名前になっているようですが、昔TVのコマーシャルで「ヤンセン今日は」と聞いた時、ほんなら「昨日はやんしたんやろか?」「明日はやんすんやろな」とか想像してしまいました。

最後のボタン

テーマ:よもやま話
先日、親戚の葬儀に参列いたしました。さて故人との「最後の別れ」などと申しますが、実は3回最後の別れがあるように思えます。まず告別式では棺に蓋をする前に故人との最初の「最後のお別れ」があり、お花などを手向けます。この時は直に故人の体などに触れることができる最後の機会です。

告別式が終わりますと、斎場を離れ火葬場へ向かいます。私が小学生の頃は現在の湖北広域行政事務センターのゴミ焼却場の辺りに火葬場があったと記憶しておりますが、現在湖北住民は、火葬場としては湖北町下山田の「こもれび苑」を利用しております。

さて「こもれび苑」ではお寺さんの読経を頂きながら、焼香をしてガラス越しに故人との最後の対面をしますが、これが二度目の「最後のお別れ」と言えるでしょうか。最早故人に触れることはなく、無言で「お疲れ様」「ご苦労様」「ありがとう」と声をかけます。

そしていよいよ棺は焼却炉の前に運ばれ、係りの方が台車を操作しながら棺を中に挿入いたします。この間遺族は固唾を呑んで事の次第を見守ります。棺が中に納まり扉が遮断されます。ガチャンという悲痛な音が余韻を残します。あの音で死者が目覚めはしないか?不届きな詮索が頭をよぎります。

これでいよいよ最後の「最後のお別れ」か、と思うその瞬間、係りの人の「代表者の方前にお願いします」の声。そして扉手前右側にある着火ボタンを指差して、最後の一押しを彼の手に、いや一本の指に委ねるのです。

私の父が亡くなった時は兄がこの過酷な務めを果たしました。それ以降も親戚の葬儀に何度か出席し、同じ光景を何度か見てまいりました。ほぼ例外なく、くぐもる咽び泣きの声を伴っての一押し。「何という辛い役目か」いつもそう感じてしまうのです。

ちなみに湖北以外の親戚の葬儀にも何度か出席し、同じ局面に立ち会ったことがありますが、特に都市部などでは「最後のボタン」は火葬場の係員が事務的にあっさりと押す地域ばかりでありました。

誰が決めたのか?また、どちらのスタイルがいいのか?私には何とも答えようがありません...。

暴風雨ハロー注意報

テーマ:よもやま話
景気後退による、生産調整・雇用削減・業績下方修正等のニュースが毎日、新聞を賑わしております。なるほど、確かに売上が落ちたとか、客数が減ったとかは感じるのですが、先日職業安定所に赴いた際に目の当たりに現状のひどさを実感いたしました。

「高年齢者継続雇用給付金」支給の申請手続に2ヶ月に一度職業安定所を訪ねるわけですが、ここ10年以上通うなかで、今月ほど多くの求職者を見かけたのは初めてです。日本人、外国人、男性、女性を問わず、実に多くの失職者たちが集まっておりました。椅子席はもちろん満席で、立って並んで待つ人、さらには入口の外でも数名がたむろしておりました。

最近「職業安定所」のことを「ハローワーク」なんて呼ぶそうですが、「ハロー」なんて悠長なことを言っている雰囲気は全くなく、いずれ業務が捌ききれなくなる「ハロー注意報」が出ているような感じでした。

私達の業界でもガソリンの販売量が減っているのですが、そこへ最近セルフのガソリンスタンドが連続して強盗の被害に遭っております。元々監視する人が少ない上、通行料の少ない時間帯を狙うわけですからたまったものではありません。現金の被害はもちろん、壊された機械の修理代が馬鹿にならないそうです。

今さらセルフのスタンドをなくせ、とも言えませんが、我々中小業者のお客さんを根こそぎ奪い、スタッフの職場も奪ってきたと言えなくもありません。スタンドに限らず、消費者が1円でも安く買うことばかり追求して、結局人の働く場所がどんどん少なくなって、今度は犯罪に走ったり、あるいは犯罪に怯えなくてはならない社会って....。

折りしも長浜キャノンさんが請負従業員1000人の削減を決定いたしました。ハロー注意報が、ハロー警報に変わらない事を祈るばかりです。

オタガジャクシ

テーマ:言葉・漢字
「カエルの子はカエル」などと申しますと、「カエルの子はオタマジャクシやん」などという屁理屈をいう方が居りますが、確かにカエルの子は「おたまじゃくし」であります。

さて昨日、ねむりはかせのところより遅れること約1週間、私どものところにも滋賀銀行の外交さんがお出で下さいまして、漢検の理事長のインタビュー記事を掲載していたという理由で店頭撤去命令の出た同社発行の冊子「かけはし」をお持ちくださいました。「それは配ったらあかんでしょう」とたしなめますと、「よくご存知ですね」という返事。でも結局配るのは禁止されてないようです。

そちらは「お宅の恥やでやめとき」と言って受け取りませんでしたが、もう1冊の「湖」という小冊子の方はありがたく頂戴いたしました。パラパラと読んでいますと、

「オタマジャクシはお多賀杓子がなまったってホント?」なる記事が載っておりました。「お多賀杓子」とは多賀大社が出しておられる長命のお守りで、なるほど糸切り餅を売っていらっしゃるお店の一つ「多賀や」さんは杓子型の看板を上げておられますね。
お多賀杓子(斜文字)
お多賀杓子というのは、古くは「柄の曲がった汁杓子」だったようで、古代のご飯が今と違いパラパラでそれを掬うくぼみが必要だったこと、それを作る木地師の里が周辺にあったことと関係しているそうです。

そこで、カエルの子が水中にて尾をくねくねと動かす様子が柄の曲がった(かつての)お多賀杓子に似ていることから、カエルの子を「おたがじゃくし」と呼んだそうです。しかし江戸後期には白米の精米技術が進み、その後ご飯をよそうのに最適な形として現在の平しゃもじにたどりついた由。

こうして元祖お多賀杓子はお役御免となり、機能的には「しゃもじ」と「お玉」という二つの別物に分かれ、カエルの子も「オタガジャクシ」改め「オタマジャクシ」と呼ばれるようになったそうであります。

ということは「猫も杓子も」の語源も「猫のおタマも」「杓子も」で「おたまじゃくし」から来ているのだろうか?と興味は尽きませんが、とにかく滋賀銀行さん、知らなかったことを教えていただいてどうもありがとうございました。
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