曳山外題考2014

テーマ:曳山・歌舞伎
昨日は午前中に2本青海山の自町狂言を終え、我々は御役目御免。午後からは登り山。4番山から順に八幡宮へと向かいます。(写真は当店前を通過する一番山の青海山)

この後、3時頃まで胡麻油を瓶詰めして、私自身も八幡宮へ。目的は今年の各町の外題調べ。全山一斉に見られますし、当町の方に分かる範囲で読み方や込められた思いなども聞けますからね。
左から青春月諫の各山

(読み方はすべて推測ですが)まず、一番山の青海山は「逢時雨百千色総(あいしぐれひゃくせんいろのたづな)」。実の息子との出逢いと別れ、そして今のやるせない自分の立場を百千色の憂き涙を流して嘆く重乃井の感情を現しています。「総」は「たづな」と読むそうな。

同町は、これまで私の同級生で45年前に三吉を演じたI君のお父さんが外題を考えておられたようですが、今回は振付さんの案と自分のそれを比較検討し、振付さんの案を採用されたそうです。

二番山の春日山は「奪太刀連舞(うばうたちのつれまい)」。演目が「太刀盗人」ですから、まあ芝居の内容を直接外題にしたような感じです。見たところ、人の手によって筆で書かれたものではなく、ワープロ文字のカッティングシートに見えるのは気のせいか?

三番山の月宮殿は「雪明知烏鷺忠節(ゆきあかりしらすうろのちゅうせつ)」。芸題は「碁盤太平記」。烏鷺(うろ)は烏(からす)と鷺(さぎ)。つまり黒と白で碁盤を意味するそうな。こりゃよく考えられてるな、と思ったんですが、同劇を演じた昭和46年の翁山の外題が「雪明烏鷺眴(めくばせ)」。あるいは参考になされたか?

四番山の諫皷山は喜劇お祭提灯に取材した振付水口氏のオリジナル作品「喜有福満祭提灯」で外題は「澄心輪福富(すみしこころめぐるふくととみ)」。昨年の漢字に選ばれた「輪」を「めぐる」と読ませ、金が人の手から手に次々と移っていく芝居の内容を表したそうな。

同町は近年は元曳山博物館館長のN川氏が命名されていたようですが、今年は若衆の中でもアイデアを出し合い、結局N川さん案ではなく、若衆案が採用されたとか。町内の多くの人が外題付けに関わるというのは喜ばしいことだと思いますね。

なお、外題は5文字または7文字で構成されるのですが、青海山は年によりいろいろ、春日山は平成8年以降前回までは7文字、月宮殿はここ7回は7文字。そして諫皷山は少なくとも大正以降一貫して5文字と、町によって特徴があるようです。  

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