素っ裸と真っ裸

テーマ:言葉・漢字
今日からいよいよ曳山祭の裸参りが始まります。ま、裸参りと言っても素っ裸、いや真っ裸で走るわけではありませんのやけど。

さて、4月から朝日新聞beで、中村明先生の「ことばの食感」というコラムがスタートいたしました。氏は私が愛用している「日本語 語感の辞典」の著者なのですが、その記念すべき第1号のテーマが「素っ裸」と「真っ裸」。皆さん、この違いわかりますか?

ちなみに、両方共それぞれ「素裸(すはだか)」、「真裸(まはだか)」の会話的な強調表現で、全裸の状態を指す点では共通しているわけですが、両語では発想が違うとのこと。

まず、「素肌」「素手」「素足」と同様、「素っ裸」は衣類を一枚でも身につけているか否かという観点から、最後の下着を取り去った瞬間に実現する。言うなれば身をおおう布が1かゼロというデジタルな世界。

一方の「真っ裸」は、「真っ赤」「真っ青」「真っ正直」と同様、厚着から次第に薄着の状態に近づくというように連続的に全裸状態に接近する最終の結果、いわばバスタオルを少しずつずらしながら最終的に実現するアナログの世界とみることもできる、と氏は解説しています。

ちなみに、その伝から川端康成の「伊豆の踊子」のヒロインが湯上がりに主人公の目に晒したのは「素っ裸」だろうと想像したら、実は「真裸」とあったそうな。主人公は湯上がりじゃなくて湯に入る前の脱衣を覗いてたんでしょうか?

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