屁のカッパ

テーマ:言葉・漢字
先日、「屁」について書きましたら、カピパラさんから「今度は『屁のカッパ』について解説を」というリクエストを頂戴いたしました。「屁のカッパ」の意味はもちろんわかりますが、なるほど、何で「屁のカッパ」と言うか考えてみたこともありませんでした。

まず、大辞泉で調べてみますと、「屁の河童」とは「なんとも思わないこと。するのがたやすいこと」とあるだけで、由来は不明。一方、「河童の屁」を調べますと「容易で何でもないこと、取るに足らないこと」と書かれた後に、「水中の屁は勢いがないところから」とありました。

しかし、そうでもないでしょう。結構、水中の屁って存在感ありません?ボコボコボコって出てきて、いっちょまえに芳香も残していきます。決して取るに足らないものではないように思います。しかも、河童が水中で屁するとこ、
見たことあるのかよ?

ネットの語源由来辞典によりますと、「木っ端の火」と転訛説というのが出てまいりました。「木っ端(こっぱ)の火」という言葉を実は知らなかったのですが、確かに「こっぱのひ」と「かっぱのへ」、語感はよく似てますね。

「木っ端」とは「切った木の切れ端」や「木屑」のことで、火を起こす時には早く燃え上がるが、すぐに燃え尽きることから、「木っ端の火」とは「あっけないこと、たわいもないこと」の喩えになった、とあります。

「こっぱ役人」とか「こっぱ武者」などという罵り言葉を聞いたことがありますが、「木っ端」のことだったんですね。さらにもっと一般的である「こっぱみじん」という用語も「木っ端微塵」と書きます。

さて、今朝の朝日新聞「天声人語」欄で、谷川俊太郎さんの「おならうた」という詩が紹介されていました。「いもくって ぶ/くりくって ぼ/すかして へ/ごめんよ ば/おふろで ぽ/こっそり す/あわてて ぷ/ふたりで ぴょ」。『豊かな「音色」は、詩人が母語の常識から解き放たれ、心の耳で遊んだ産物だ』と評されていました。

最後は、今の政治家の語感力では、どのおならも「ぶ」でしかない。磨くべし。と締めくくられておりましたが、さて語感を磨けば、何と聞こえるのかな「河童の屁」は?

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