まことに国の礎ぞや
テーマ:まちづくり
2010/12/08 09:00
三役修業塾で行なっております素義会(素浄瑠璃発表会)。来年の演題の一つに決まりました「伽羅先代萩」の中に乳人政岡が、毒入りの菓子を主君鶴千代君の代わりに食べて死んだわが子千松を褒め称える場面で「まことに国の礎(いしずえ)ぞ~や」と声を張り上げる浄瑠璃が出て参ります。
主君のために死ぬことが必ずしも美徳とはされない現代における「国の礎」はやはり教育でありましょう。昨日9時半から市役所で、第4回の長浜市教育振興基本計画策定委員会が開かれ出席して参りました。過去3回の会議では全市域、各分野から集まった10名の委員が事務局原案を元に真剣な議論を重ねてきました。
総花的な計画案の中、小学校から全校にALTをはりつける「英語教育の推進」は当市の大きな特徴の一つです。しかし、事務局提出の資料の中の「英語リスニング能力診断調査結果」を見ると、小学校英語教育が始まってから、能力が向上した形跡は必ずしも見られませんでしたので、個人的にはこの部分で意見を申し上げました。
小学校からの英語教育については専門家の中でも大きく意見が分かれており(*1)、日本語との文法の違いから習得には人によって適性がある、という考え方に私は賛成です。つまり、現在のおしなべてすべての生徒に薄く平等にというやり方では、結局中途半端になって数多いALTの人件費が無駄金になることを危惧するのです。
「英語はむしろ『スポーツ』に近いと考えて、スポ小あるいは部活動のように、やる気と適性のある生徒に集中的に教えた方が効果的ではないか?」と申し上げたら、冗談と取られてしまったようですが。
英語教育の重要性を否定するものでもないし、英語を学び始めるのは早いに越したことはないという意見も多数あることは承知しています。とにかく現行のやり方に効果があるのかどうかをきちんと「検証していく」ことを要望いたしましたら、基本計画の中に「成果を検証する仕組みづくりなど」という文言を入れて下さいました。
さて、過去3回の会議は旧浅井町役場で行なわれ、内心不便だなあと思い30分ほどかけて通ったのですが、最終第4回は市役所。個人的にはありがたかったのですが、討議はなく、結局委員長から市長への答申書の受渡しという儀式がメインで約30分で散会となりました。
市長のごあいさつが終わったところで遅れて到着された委員さんは確か西浅井町から。お気の毒に、一体何時に家を出られたのでしょうか?私も大津などに呼ばれて実のない会議だとがっかりすることが何度かありましたが、広域から人を集める場合、会議の性格によっては配慮も必要なのではと感じました。
終了後に委員の一人であるK先生と立ち話。「立派な建物や道路やらいっぱい作っても、曳山やら色々あっても、結局人が居んかったら終りやわな。人や!後継者や!」とおっしゃった言葉が印象的でした。真に「教育こそ町の礎ぞ~や」、でございますなあ。
(*1)
参考文献: 「文科省が英語を壊す」 茂木弘道/中公新書ラクレ
「危うし!小学校英語」 鳥飼玖美子/文春新書
主君のために死ぬことが必ずしも美徳とはされない現代における「国の礎」はやはり教育でありましょう。昨日9時半から市役所で、第4回の長浜市教育振興基本計画策定委員会が開かれ出席して参りました。過去3回の会議では全市域、各分野から集まった10名の委員が事務局原案を元に真剣な議論を重ねてきました。
総花的な計画案の中、小学校から全校にALTをはりつける「英語教育の推進」は当市の大きな特徴の一つです。しかし、事務局提出の資料の中の「英語リスニング能力診断調査結果」を見ると、小学校英語教育が始まってから、能力が向上した形跡は必ずしも見られませんでしたので、個人的にはこの部分で意見を申し上げました。
小学校からの英語教育については専門家の中でも大きく意見が分かれており(*1)、日本語との文法の違いから習得には人によって適性がある、という考え方に私は賛成です。つまり、現在のおしなべてすべての生徒に薄く平等にというやり方では、結局中途半端になって数多いALTの人件費が無駄金になることを危惧するのです。
「英語はむしろ『スポーツ』に近いと考えて、スポ小あるいは部活動のように、やる気と適性のある生徒に集中的に教えた方が効果的ではないか?」と申し上げたら、冗談と取られてしまったようですが。
英語教育の重要性を否定するものでもないし、英語を学び始めるのは早いに越したことはないという意見も多数あることは承知しています。とにかく現行のやり方に効果があるのかどうかをきちんと「検証していく」ことを要望いたしましたら、基本計画の中に「成果を検証する仕組みづくりなど」という文言を入れて下さいました。
さて、過去3回の会議は旧浅井町役場で行なわれ、内心不便だなあと思い30分ほどかけて通ったのですが、最終第4回は市役所。個人的にはありがたかったのですが、討議はなく、結局委員長から市長への答申書の受渡しという儀式がメインで約30分で散会となりました。
市長のごあいさつが終わったところで遅れて到着された委員さんは確か西浅井町から。お気の毒に、一体何時に家を出られたのでしょうか?私も大津などに呼ばれて実のない会議だとがっかりすることが何度かありましたが、広域から人を集める場合、会議の性格によっては配慮も必要なのではと感じました。
終了後に委員の一人であるK先生と立ち話。「立派な建物や道路やらいっぱい作っても、曳山やら色々あっても、結局人が居んかったら終りやわな。人や!後継者や!」とおっしゃった言葉が印象的でした。真に「教育こそ町の礎ぞ~や」、でございますなあ。
(*1)
参考文献: 「文科省が英語を壊す」 茂木弘道/中公新書ラクレ
「危うし!小学校英語」 鳥飼玖美子/文春新書