漏斗

テーマ:油甚本店
先日「枡(ます)」についてお話しいたしましたら、ニルモンさんから今度は是非「漏斗」について書いて下さいとリクエストを頂戴いたしました。なるほど、「枡」で量って、「漏斗」を通して瓶に注ぐ。量り売りにはつきものの道具です。さて、そこでお尋ねします。
この「漏斗」何と呼ばれます?

「じょうご」?、それとも「ろうと」?私的には「じょうご」なんですが、一体全体どこがどう違うのか?辞書で調べましても、両方とも意味は同じ、「口の小さい容器に液体を入れるときに使う道具」と出てまいります。

まず、漢字の「漏斗」をそのまま音読みいたしますと「ろうと」となり、漢和字典にも「漏斗(ろうと)」と記載されておりますので、「ろうと」として中国から伝えられたものと考えられます。事実、漏刻(ろうこく)という水時計の部品にラッパ状の導管があり、これが「漏斗」と呼ばれていたのではないか、という説もあるようです。
漏刻

では「じょうご」はどこから出てきたのか?少なくとも2つ説があるようでございます。一つは古語に同じ器具を「承壷(しょうこ)」と書いているものがあり、「しょうこ」が「じょうご」に転じた。

もう一つは、「上戸(じょうご)」という言葉がございまして「酒をたくさん飲む人」という意味ですが、スムーズにいくらでも酒を吸い込む「漏斗」の様を見て、「じょうご」と称されるようになった。

ちなみに「ロート製薬」は「漏斗」と関係があるのではないか、と思われた人いませんか?
 ♪ロート、ロート、ロート
う~ん、鋭い!そうなんです、ロート製薬は、いかに目薬を楽にさせるようになるか日夜開発に開発を重ね、
ついに漏斗で目薬!

なんてことはありませんで、ロート製薬の「ロート」は「漏斗」とは一切関係なく、目薬を開発したミュンヘン大学のロートムント博士が、その由来だそうであります。ちなみに、(私は好みじゃないんですけど)
この上戸なら目に入れても痛くはない?

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