升枡舞足

テーマ:油甚本店
先日、ゆうこりんさんのブログを見ておりましたら、枡に柄のついたお酒を量る道具のことを「杓」と称しておられることに気がつきました。これはおそらく「柄杓(ひしゃく)」を略して「杓」と呼んでおられるのだと思います。

で、この「柄杓」という言葉ですが、元々瓢(ひさご=ひょうたん)を縦半分に割って水を汲む道具として使っていたことから生じたもので、「ひさご」が「ひさく」になり、「ひしゃく」に転じたそうです。(「柄杓」というのは当て字)

ゆうこりんさんところの桑酒は瓢箪型の容器に入れられているわけで、「ひさご」で量って「ひさご」に入れる、というのもなかなか面白いですね。

さて、うちも油を量り売りしているわけですが、うちの場合は木製の一合枡を使っております。一合というのは約180ml、昔の牛乳瓶1本分の分量です。これが10杯で1升(約1.8ℓ)、つまりお酒1本分、さらにその10倍が1斗(約18ℓ)、つまり灯油1缶分の分量となるわけです。

で、うちでは、この油を量る道具を「杓(しゃく)」ではなく、「ます」と呼んでいるんですが、「ます」には「升」、「枡」、「桝」、と色々な漢字があって、一体どう使い分けたらいいのだろうと、はたと迷ってしまいます。

どうやら、「升」というのが正式な漢字。「量の単位」と「量る道具」の両方の意味があるのでややこしいことから、日本では「升」は量の単位として使おう、と考えたらしく、別に道具を表す字「枡」を作ったようです。そうです「枡」は漢字ではなく我が国で作られた「国字」なんです。もっとも結局厳密に使い分けられることなく、ますます混乱してしまったようですけど。

さらにですよ~、「桝」という一風変わった字がありますね。これも国字なんですが、何とこの文字、「枡」に対する「簡易慣用字体」なんですと。つまり「枡」では難しいから「桝」を使ってもいいよ、って全然こっちの方が難しいやろ。結果、この文字は漢和字典からも排除されるという悲しい運命を辿っています。

さらにますますややこしいことに「桝」の右側の「舛」は堂々とした正式な漢字でして、しかもこの字一字で「まいあし」という部首なんだそうです。「舞う」という字の「足(下の部分)」だから「まいあし」なんでしょうか?ちなみにこの文字、「夕(左足)」と「ヰ(右足)」が互い違いに行き違う、ということを表しているんだそうです。

これは推測なんですが、「桝」の合わせ目が互い違いのはめ込みになっているからこの字を充てたのでしょうか?

いずれにせよ、ややこしすぎて頭が「まいあし」になりそうですな。

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