まちづくりの実践

テーマ:まちづくり
昨日の日経新聞「春秋欄」を読んで、地域政策プランナーで法政大学名誉教授の田村明さんが亡くなられたことを知った。民間企業から横浜市職員に転じ、高速道路の地下化、港北ニュータウン、横浜スタジアムの建設などの実績を上げ、全国に「まちづくり」という言葉を広めた。

と言っても、私は面識もなく、どんな人物なのかも知らない。ただ、まちづくり3部作と言われる「まちづくりの発想」「まちづくりの実践」「まちづくりと景観」という著作(いずれも岩波新書)を読んで共鳴し、それらが自分のまちづくりに対する考え方のバックボーンになっていることは確かだ。

それらに書かれていたフレーズで印象に残るものは多い。

・ユーモアの言える自由な人間関係が「まちづくり」の成功の秘訣
・土(地元)、風(外部)、火(情熱)、手(ノウハウ)の合体

・amenity(快適さ)=the right things in the right place(しかるべき場所にしかるべきものを)
・よい都市景観とは生活者が生み出し、愛情を持って維持されるもので、生活の便利さと従来の個性的景観を調和させる知恵が必要

・「内は自分のもの外はみんなのもの」「ぼくのうちも景観のひとつ」
・所有権者の論理(評価による財産価値の向上)より生活者の立場

・総合的視点を持つ部局を中心とする景観行政と地方分権法に基づく独自の自主条例

「生活する人々が誇りと愛情を持って育てた景観でなければ訪れる人も感動しない、と田村さん。暮らして楽しく、愛着を持て、人も呼べるまちづくりとは。難しい宿題を残し、この冬83歳で生涯を閉じた」と結ばれていた日経のコラム。

「まちづくりの実践」という本には次のようにも書かれていた。「理念に現実を近づけるのが『実践』、落差を指摘し慨嘆するのが『評論』、あきらめるのが『迎合』」

最近、すっかり評論家に成り下がっている自分への自戒とともに、田村さんのご冥福を心よりお祈りいたしたい。

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