三位一体

テーマ:スポーツ
17日(水)の朝日新聞夕刊に長野五輪スピードスケート男子500m金メダルの清水宏保選手が「条治よ悔しかったか」という題で寄稿していた。条治とは、先日行なわれたバンクーバー五輪同種目で、銅メダルを獲得した加藤条治選手のことだ。
清水加藤
清水は、銀メダルは金に届かなかった悔いが残り、銅メダルは表彰台に上がれたという財産が残るという意味合いで「銀メダルは悔しいメダル、銅メダルはほっとするメダル」と一般的に呼ばれるが、と述べた後、

自分が長野五輪の1000mで獲得した銅メダルは、500mの金の勢いで取らせてもらったまさに「嬉しいメダル」だったが、今回の銅メダルはそうでないだろうと加藤に語りかける。つまり、目の前にぶらさがっていた金メダルを取り漏らしたレースだっただろう、と。

清水は加藤にこう言われたことがあるという。「清水さん、あんなにつらいトレーニングをやらなきゃいけないなら、僕スケートやめます。楽して金メダル取りたいですね。」清水は心配機能を高めるために失神寸前まで自分を追い込むトレーニングをしてきており、それに対する反応だったらしい。

清水は加藤を天才だと認めたうえで、彼の敗因はスタミナ不足で、それは1000m練習の不足から来たもの、と喝破し、加藤は500mに特化して1000mを捨てたが、500mを一日2回滑る今の五輪では1000mの練習が不可欠なんだと指摘する。

「銅メダルで満足していないはずだからあえて言う。4年後金メダルを手にするには練習方法の変更が必要だ」という清水の苦言に加藤は応えられるのか。4年という時間は長いようで短い。才能と努力、そして運の三位一体で今度こそ金メダルを取ってほしい。誰が何と言っても、そちは加藤。

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