団四郎ワールド

テーマ:曳山・歌舞伎
「団四郎」とは、言うまでもなく子ども歌舞伎振付師「市川団四郎」先生のこと。長浜ではもちろん御馴染みですが、今回は米原中町松翁山さんの振付。本日(10/11)は都合がつかなかったので、後宴の昨日午後5時半からの芝居を観劇に参りました。

団四郎先生の特徴は、原作にこだわることなく見せ場を作って盛り上げることにあるように思います。主役にも脇役にも必ずお客さんから拍手をもらえる見せ場が与えられます。親御さんはもちろんそれだけでも嬉しいのですが、何より役者が本当に楽しそうに演じているのがよくわかります。

今年の米原の芸題は「銘刀石切仏御前」という、金沢学院大の石田学長が書き下ろされ、5月に小松のお旅まつりで龍助町が演じた芝居だそうで、当然長浜では演じられたことがないものです。演出は団四郎先生らしく、琴の演奏や襖への筆書き、他芝居からのおいしい部分のcopy&pasteと、濃厚な味付けとなっておりました。


また、今年は他町の事情で当番町である中町一町だけの出場になり寂しいので、少しでも派手さを加えようという計らいで、三番叟の浄瑠璃演奏が顔の見える出語りで行なわれました。長浜の三役修業塾から太夫・三味線として今回派遣されている龍豊さん・賀祝さんに加えて、壽太夫さんと中学生のS君が舞台上に。

のみならず、舞台の下では、これまた三役修業塾の女性陣が三味線でさらに三番叟の舞台を艶やかなものへと盛り上げます。

(すみません、べっぴんさんを撮るのに手が震えましてピンボケです)

平成2年に開講された三役修業塾の塾生が初めて長浜の曳山祭の舞台に上がったのは、平成7年の萬歳楼で外題は「絵本太功記十段目」だったと思うのですが、その時の振付師は市川団四郎先生でありました。2町目が平成9年の鳳凰山で「石切梶原」。この時も団四郎先生の振付です。

今でこそ当り前になりつつある三役修業塾生の起用ですが、他町がなかなか踏み切れないところを率先して受け入れて下さった寛大な包容力とチャレンジ精神こそ団四郎ワールドの真髄ですね。




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